本則課税で還付申告になるカラクリとは
本則課税で還付申告になる仕組みを新潟県中越沖地震を例に説明すると、以下のようになるものと思われます。
・ 新潟県中越沖地震により、温泉施設や酒蔵などの主要施設に甚大なダメージが発生
・ 修復するには多額の出費がかかることが予想
・ 一方、売上はやむなき休業&風評被害などで大幅なダウン
ということです。
このことにより、課税売上に含まれる消費税と仕入税額控除のできる消費税とが逆転することになるので、消費税が還付されるのです。
これらのイメージを図解すると以下のとおりとなります。
図表・・筆者作成 |
還付申告にするための注意点は?
ただし、実際に還付申告を行うためには以下のことも検討する必要があります。それは、売上の減少(課税売上に含まれる消費税の減少)と多額の設備投資(仕入税額控除のできる消費税の増大)が、同一の課税期間内に行われるということです。
課税期間は通常の場合、個人であれば1月1日から12月31日、法人であればその会社の事業年度ということになりますので、売上の減少と多額の設備投資を行う時期が、同一の課税期間内ではないというような場合には、思ったほどの還付金額にならないということも予想されます。
災害等で被害を受けていない通常の事業者であっても多額の設備投資を行うためには、金融機関からの融資も必要になる場合があります。設備の復旧が完成していないのであれば、設備の復旧が完成した事業年度に仕入税額控除が先送りされる場合もありますので、実際に還付申告の可否を検討する場合には綿密なスケジューリングも必要となるのです。
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