源泉徴収票は市区役所にも送られている

あとの2枚(前ページのダミーデータでいうとカラ―刷り部分)は、市区役所にも送られています。名称は「源泉徴収票」ではなく「給与支払報告書」となりますが、記載されている内容は源泉徴収票と同一です。

この後、原則、同一人に対する給料・賞与が年間30万円を超える人の給与支払報告書は、勤務先において、武蔵野市在住の人だったらそれらをとりまとめて武蔵野市役所に、市原市在住の人だったらそれらをとりまとめて市原市役所にというように、同一市区役所に在住(あるいはそこから通勤)している勤務者のものを一括して、翌年の1月31(平成25年年末調整のケースでは平成26年1月31日)に送らなくてはいけないこととされています。

  • 給料・賞与が年間30万円を超える場合
  • 年末調整の対象者、非対象者を問わない
など、こちらのほうが、アルバイトやパートといった雇用形態に関わらず、給与として支給を受けた人ほぼ全員が、給与支払報告書という名称で源泉徴収票と同一のものが市区役所に送られていると考えるべきでしょう。

では、なぜ源泉徴収票がいろいろなところにバラまかれなければいけないのでしょうか。それには、ちゃんと税務行政上の目的もあるのです。

源泉徴収票がバラまかれている理由

源泉徴収票が税務署に、給与支払報告書が市区町村に送られている最大の理由は、所得状況の捕捉にあるといえます。たとえば、独立開業した人が独立以前に給与所得があったという場合には、給与所得と事業所得と合算した確定申告をしなければ申告漏れとなってしまいますし、配偶者控除の適用を受けていた人が、実は「年収が103万円以上あった」というような場合には配偶者控除の適用から外さなくてはなりません。

そのように、所得の全体状況や家族間の所得控除の実態を捕捉し、課税の公平を実現することを主目的に源泉徴収票は税務署に送られています。

給与支払報告書が市区町村に送られている理由の主なものとして、住民税の算定と国民健康保険料の算定ということがあげられます。

たとえば、ある会社でのアルバイト収入が45万円でもその他に35万円ずつ2社アルバイトをかけもちしているような場合であれば、年収115万円となり住民税が課される可能性が生じてきます。このようなケースで逆に、給与支払報告書を市区町村に送る会社と送らない会社があるとしたら、住民税の課税に不公平感が生じてしまいます。そこで平成18年より、支払った給与が30万円超の場合、給与支払報告書を市区町村に送ることとされています。

なお、この給与支払報告書は、住民税の算定データであると同時に国民健康保険の算定データでもあります。国民健康保険は所得状況に応じて算定される市区町村と住民税に応じて算定される市区町村とがありますが、いずれにせよ算定とされる基データはこの給与支払報告書であるということです。

源泉徴収票が影響してくるのは所得税の算定だけではないのです。

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