「……借金が難しい中小企業の経営のように家計のB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)をマネージする計画を立てるべきだろう。そうした方法の延長線上に今後、家計マネジメントの方法論が体系化されると思う。」(『PRESIDENT』2002 12.16号 「「老後資金の必要資金」どう計算すべきか」(山崎 元)より抜粋)
■家計も決算書を作ろう
「自分でできる資産管理」では、毎年家計簿をもとに財産簿を作成することをお勧めしました。しかし、「作業が面倒。時間がかかる」など様々な理由で実行に移した人は少ないのではないでしょうか。
この「手間と時間」の問題を解決する家計簿『家庭決算書――あなたの家計を一発診断』(依田 宣夫 公認会計士)が12月にプレジデント社より刊行されました。「消費損益計算書」が家計簿(=家計のB/L)、「財産対照表」が財産簿(=家計のP/L)にあたります。
■隠れた財産も把握できる
家計簿は、食費、教育費、交際費、光熱費等々、費目別の家計管理が大の得意。無駄を発見し節約・倹約することで家計を健全にして貯蓄を増やす、そのための優れたツールです。反面「年度毎の継続性」や「資産や負債の管理」は不得意です。
『家庭決算書』の「消費損益計算書」では、収入として給与所得(パート・アルバイト収入含む)や株の配当金、預貯金の利息などを計上します。
支出には生活費はもちろん、税金や保険料なども計上し、目に見えないお金の動きを数字化して無意識の収入と支出を明らかにします。
「財産対照表」は「消費損益計算書」と連動しています。資産の部に預貯金、有価証券、土地、建物、貴金属、車や家電製品などで売却可能なものなどを時価で計上。負債には住宅借入金、車などその他の借入金、カード未払い金などを計上し、我が家の財産を「資産?負債」で明らかにします。
毎年の家庭決算書の積み重ねが、教育費や住宅購入資金、老後資金などの準備に大きく貢献します。転職や突然の失業に直面しても、資金面でパニックに陥ることは軽減できるでしょう。また、資産運用では、投資金額や投資先などのバランス、現金化のスピードなど、多方向からのチェックに使えます。
家計管理から一歩踏み込んだ「家庭決算書」は、右肩下がり、デフレ、超低金利という先の読めない時代にピッタリの家計簿と言えるのではないでしょうか。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/11/30まで)を実施中です!
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※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
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