中高齢の特例では、加入期間が短くても年金を受給できることになります |
年金は原則加入期間が25年なければ受給できないのですが、中高齢の特例では、加入期間が短くても年金を受給できることになります。
メリットは2つ
1.加入期間が短くても厚生年金が受け取れる。2. 60歳から受取る特別支給の老齢厚生年金のうち定額部分の被保険者期間が「20年」になる。
中高齢の特例は次のとおりです。
生年月日 | 加入期間 |
昭和22年4月1日以前 | 15年 |
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日 | 16年 |
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日 | 17年 |
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日 | 18年 |
昭和25年4月2日~総和26年4月1日 | 19年 |
定額部分が増える
厚生年金は、報酬比例部分と定額部分に分けて計算します。この特例では、報酬比例部分は実際に厚生年金に加入していた期間(=被保険者期間)を使い、定額部分の被保険者期間は20年を使います。昭和22年4月1日以前生まれの人は実際の被保険者期間が15年であっても定額部分は20年として計算してもらえることになります。<Aさん 昭和21年10月生まれ 女性 44才から厚生年金に15年間加入>
定額部分の年金額:1,676円×20年×12ヶ月×0.988=397,413円
(上乗せになる年金額=1,676年×5年×12ヶ月×0.988=99,353円)
*平成16年の年金額で計算した。
約10万円得することになります。
デメリットは加給年金と振替年金がもらえない
年金を受給する資格を持つ夫(妻)が厚生年金に20年以上加入している場合、厚生年金では配偶者のために加給年金と振替加算が準備されています。ただし、配偶者が厚生年金に20年以上加入していると、加給年金と振替加算は支給されません。そうです、配偶者は厚生年金加入期間が20年未満でなければいけないのです。加給年金と振替加算を受給する権利を持つ夫(妻)の配偶者が、中高齢の特例を利用すると「厚生年金加入期間20年未満」の条件から外れてしまいます。ということは加給年金と振替加算を受給する権利を失うということです。配偶者の年金額は増えますが、夫婦あわせた年金額では損をすることにもなりかねません。
加給年金・振替加算が夫婦で受け取る年金額にどのくらい影響があるのかは次ページで