余裕資金はちょっと冒険を
これまで老後資金の必要性が叫ばれたのは、年金給付開始年齢までの無年金時代の生活費確保が大きく影響していました。しかし「改正高年齢者雇用安定法」(平成25年4月1日施行)により、原則65歳までの雇用が確保され、無年金(=無収入)の時代がなくなったことと、定年退職後の期間が5年間短くなった(定年退職年齢60歳→65歳)ことから、年金と定年退職金で老後の生活資金に対応できるケースもある、ということがわかりました。この場合、退職までに貯めた金融資産はまるまる余裕資金として使うことができます。一部を医療費や介護費用、葬儀費用等に取り分けて、残りは住宅リフォームや海外留学、旅行、趣味やボランティア活動など、夢の実現のために自由に使ってもいいのです。
自由に使えるということは、運用に失敗して元本が少し減ったとしても、「失敗しちゃった!」と後悔するだけで生活そのものにダメージが波及することはありません。うまく運用できれば、楽しみが数倍にも膨らむことだってあります。そう考えると、余裕資金の1~3割程度はリスクのある商品で運用してもいいのかもしれません。
時間がたっぷりあるリタイア後の人生を実り豊かにするために、
- 世帯としての年金受給額を把握する
- 退職金額を把握する
- 年間の生活費のおおまかな額を把握する
- 何歳まで生きるか、想定する
- 退職時の金融資産の金額を把握する
この順に計算をし、必要な生活資金と余裕資金を色分けして、生活資金は元本保証・安全確実な金融商品で運用し、余裕資金はリスクのある金融商品も組み込みながらしっかり運用して、ケチらず楽しく使いましょう!