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貯蓄金額から考えるセカンドライフ格差(2ページ目)

老後の生活格差は、年金額や金融資産の差などで、現役時代のそれより厳しいのが現実です。年金と生活費と余暇活動費を貯蓄額から検討しました。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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A太さん夫婦の老後生活資金総額は約1億80万円

老後の生活費の算出の目安は
  • 夫婦での生活期間:現役時代の生活費の70~80%
  • 妻1人期間:夫婦期間の生活費の70%

です。既にリタイアしている人は現在の生活費を用います。ここでは60歳~70歳代の人が1ヶ月の最低生活費としてあげた28万円で計算しました。A太さん夫婦が平均余命を生きるには、1億80万円の生活資金が必要です。それに対し年金受給総額は約7168万円。約2900万円が不足します。
老後生活費の計算式
大沼が作成


貯金0円の老後はシンプル生活一筋

60歳で退職し、その時点での貯金は0円、しかも収入は前述の年金だけ、という夫婦の生活は……。人事院が算出した「2人暮らし世帯の標準生活費(一般的な国民の標準的な生活水準を求めるために算出したもの)」は、なんと166,270円(非消費支出は含まない)です。税金や社会保障費等を含めても毎月20万円あれば標準的な生活(?)が可能ということです。だとすれば、必要な老後生活資金は7200万円、B太さん夫婦の公的年金受給総額とほぼ同額です。あ~、よかった! 質実剛健をモットーに健康に留意したメリハリのあるシンプル生活なら「貯金0円」でも老後は怖くない。ギリギリだけど金銭的には大丈夫って事です。

生活費28万円レベルなら貯蓄2500万円が必要

60歳以上の人たちが1ヶ月の最低生活費としてあげている28万円、夫婦世帯のみでは29万円でした。この差1万円、生活の満足度はほとんど変わらない、たぶん・・・ネ。ところが、夫婦で過ごす23年間の生活費に換算すると、なんと約280万円もの差が出ます。
<老後生活費の不足額と貯蓄額>
老後生活費の不足額と貯蓄額
大沼が作成


平成19年「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報委員会)によると、50歳代の金融資産保有額は1554万円(中央値996万円)、60歳代は2443万円(中央値1415万円)ですので、60歳以上の多くは、既に1ヶ月の生活費が30万円程度までの準備はできているということになります。

毎年120万円を23年間使い続けるには60歳時の貯蓄額は?>>次ページで
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