年金は請求しないと受け取れない!提出書類と注意点とは?
老齢年金は生年月日により、60歳から65歳になった時点で、所定の要件を満たせば受け取ることができます。例えば、昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれの男性の場合の受給開始年齢は63歳となります。ただし、「受け取ることができる」状態にあったとしても、それで自動的に支給が始まるわけではありません。国(日本年金機構)に「受け取ることができる状態になりましたので、支給してください」と言わない限り、いつまで経っても実際の支給が始まりません。
法律用語で、このことを「裁定請求」と言い、所定の用紙に添付資料を付けて年金事務所等で受給手続きすることになっています。平成17年10月から、国は年金の加入記録を印刷した裁定請求書を送付するサービスを開始していますので、裁定請求書が送付されている場合は、送られてきた裁定請求書に所定事項を記入し、提出することになります。
事前に書類を送ってきてくれる場合であっても、やはりそれを提出しない限り年金は受け取れません。受け取る権利が発生したらすぐに裁定請求ができるように「心の準備」をしておきたいところです。
請求前にしておくべきことは?
裁定請求ができるのは、63歳から年金を受け取れる場合であれば、63歳の誕生日の前日以降となります。それまでにしておきたいことがあるとすれば、それは「年金の加入記録の確認」です。さきほど、国は年金の加入記録を印刷した書類を送ってくれることになっていると書きましたが、この加入記録が正しいかどうかを確認する必要がありますし、送付されないケースは自分で年金履歴を書かなければなりません。特に注意して確認が必要な人は以下のとおりです。
■転職が多い人 : 過去の勤務期間についてもしっかり年金に反映されているかどうか確認しておきましょう。
■自分の年金手帳が複数枚ある人 : 手帳全て自分の年金に反映されます。1冊にまとめておきましょう。
■氏名が変わった人 : 今の苗字と、旧姓で別人と記録されている可能性があります。旧姓での年金期間があるなら、現在の姓に変えておきましょう。
上記の3つに該当しない方も、今までの年金履歴を書き出してみて、国から送られてきた裁定請求書の年金の加入記録と相違がないかどうか確認をしてみることは大事なことです。
履歴ですが、例えば
昭和43年4月~昭和56年3月
○○県○○市に本社がある○△商事(株) 厚生年金加入(156月)
昭和56年4月~昭和56年12月
無職 国民年金加入(9月)
昭和57年1月~平成3年6月
○○府○○区に本社がある×○電気(株) 厚生年金加入(114月)
平成3年7月~平成12年3月
自営業 国民年金加入(105月)
平成12年4月~
合計加入期間
厚生年金 ○○○月
国民年金 ○○○月
という感じで、勤務先の名称・所在地、勤務期間(年金加入期間)そして、国民年金加入期間については、保険料を納付したか、免除されたか、滞納したかをチェックしておくと良いでしょう。
年金の請求に期限はあるの?
例えば63歳で受給権が発生したとすると、63歳の誕生日の前日以降、裁定請求をすることが可能となります。ならば、いつまでに請求をしないといけないのか? という疑問が出てくると思います。この答えは「特にないが、できるだけ早くした方が良い」ということになります。63歳で受給権が発生する場合は、63歳の誕生日の前日に年金を受け取る権利は自動発生しています。ですから、3ヵ月後に裁定請求をしても、1年後に制定請求をしても、権利が発生してからの年金がちゃんと支給されます。ただ、請求が早ければ、受け取りも早くなることは確かですね。
また、年金には「5年の請求時効」というものがあり、権利が発生して5年以上請求をしないでいると、さかのぼる5年間分は受け取れますが、それよりも以前の年金は受け取れなくなります。
例えば権利が発生して8年後に請求した場合、直近5年間分は受け取れますが、3年間分は受け取れなくなってしまいます。
ですから、裁定請求の期限は特に決まっていませんが、できるだけ早く手続きするに越したことはないでしょう。
請求しても受け取れない場合あり
請求してから、実際年金を受け取るスケジュールを見てみましょう。請求後、2、3ヵ月後に、年金証書が送られてきます。年金証書が送られてきた後、1、2ヵ月後、初回の年金が指定口座に振り込まれます。その後、偶数月の15日に2ヵ月分の年金が振り込まれ、これが権利がなくなるまでずっと続くことになります。ただし、請求をしても年金が支給されない場合がありますので注意が必要です。
■雇用保険(失業保険といわれるもの)を受け取る手続きをした場合
仕事を辞めて再就職するまでの間に支給される失業保険(失業等給付の基本手当)を受け取るための手続き(求職の申し込み)をした場合、年金は基本手当を受け取る間支給が止まります。失業保険と年金は併給できないことになっています。
■厚生年金の被保険者でいる場合
年金をもらい始めた後も、会社員で厚生年金に加入しているような場合は、給料と年金の調整が行われます。これを在職老齢年金制度といい、高額な報酬を受け取っている場合は、年金が完全にストップするケースもあります。
以上のように、雇用保険と年金あるいは給料と年金を両方受け取ろうとする場合は、受け取れる年金に一定の調整があるということになります。注意点を参考に、もらい忘れのないように手続きをしたいものです。
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