年金/公的年金制度の問題

年金財政「税」「社会保険」それぞれの問題点とは?(2ページ目)

日本の財政方式は「社会保険方式」で運営されてきました。しかし民主党はマニフェストで1階部分を全額「税方式」の最低保障年金を創設するとしています。「社会保険方式」と「税方式」どちらが良いのでしょうか?

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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無年金者がなくなる「税方式」

年金を税金(消費税)で賄う方式だと、
  • 滞納という問題がクリアになることで、無年金者がなくなる
  • 国民全体が消費税を支払うため「世代間の不公平」がなくなる
  • 保険料と税と言う別々の徴収窓口を一つにすることによる徴収コストが削減できる
等のメリットがあると言われています。
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この問題への特効薬がないのが辛いところ

現在も1階部分(基礎年金部分)については、2分の1は国庫負担(税金)が投入されており、事実上「社会保険方式」と「税方式」との併用方式を採用しているとも言えます。

しかし、全額税(消費税)で賄う場合、税率を最大で18%にまで引き上げる必要があるという試算もあり、低所得者や高齢者への負担増が懸念されています。

これまでの納付実績をどうするのか? 

双方のメリットを生かした併用方式の構築を期待! 

未納者が多く、無年金者が増えるという問題が「社会保険方式」のデメリットならば、先進諸国は全て未納問題で苦労しているはずです。未納者が多く、無年金者が増える問題は、制度そのものや徴収方法に問題があると考えます。

一方、少子高齢化が進展している日本で、現役世代の保険料で今の年金給付を賄うという「社会保険方式(賦課方式)」では、若い世代ほど負担が重くなり、若年者の保険料納付意欲は下がる一方でしょう。

先ほども書いたとおり、現在でも基礎年金部分は半分は国庫負担(税金)が投入されています。全国民が負担している税金が半分を占めているにもかかわらず、保険料を払わない人は「無年金」とするのは問題があるという意見もあります。

「社会保険方式」「税方式」、それぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどちらにすべきとは言えません。「社会保険方式」と「税方式」のそれぞれの良さを生かした併用方式のような制度の構築を期待したいものです。

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