年金/専業主婦の年金(第三号被保険者)

妻の年金保険料、夫の職業で700万円超もの格差が!?

毎年引き上げられている国民年金保険料ですが、同じ専業主婦でも会社員の妻と自営業者の妻では、取り扱いに大きな差があります。これにより、年金保険料に700万円を超える差が! この格差の原因を検証してみたいと思います。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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専業主婦は国民年金保険料を納める必要がない?

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第3号被保険者は女性とは限らない
「専業主婦は国民年金の保険料を払わなくてよいですよね!」

この質問に対する答えは、「ハイ」とも言えますが、「イイエ」とも言えます。なぜなら保険料を払わなくてもよい専業主婦もいますし、保険料を払わなければならない専業主婦もいるからです。

確かに国民年金には「第3号被保険者制度」というものがあり、このカテゴリーに属する人は、国民年金保険料を払わなくてもよいとされています。通常、保険料を払わなければ「未納期間」となるわけですが、この第3号被保険者については、保険料を払わなくても、保険料を納付したものとされる、いってみれば「優遇制度」となるわけです。

そうなると、専業主婦はみな「第3号被保険者」じゃないの?とさらに疑問がでてくる人もいるでしょう。

第3号被保険者になれるのは、会社員・公務員の被扶養配偶者

「専業主婦=国民年金の第3号被保険者」という図式は、会社員や公務員の妻にはあてはまるのですが、自営業者の妻にはあてはまりません。国民年金の仕組みから整理してみましょう。

国民年金の被保険者(加入者)のカテゴリーは、
  • 第1号被保険者
  • 第2号被保険者
  • 第3号被保険者
の3つで構成されており、第1号被保険者は「自営業者、無職」などの第2号・第3号に該当しない人、第2号被保険者は「会社員、公務員」が該当します。

そして、第3号被保険者については、正確には「第2号被保険者の被扶養配偶者」が該当することになっています。「被扶養配偶者」とは当然、専業主婦も含まれているわけですが、第3号被保険者になれるのは、夫が「第2号」被保険者である人に限られているという点がポイントです。

したがって「会社員の妻」は第3号被保険者になり、保険料を払う必要はありませんが、夫が第1号被保険者である「自営業者の妻」は、第3号被保険者にはなれません。

自営業者の妻は第1号被保険者。保険料の納付義務あり

それでは、自営業者の妻はどのカテゴリーに属するの?という疑問が出てくるかもしれません。自営業者の妻は、会社員・公務員の「第2号」でも、「第3号」でもありませんので、「第1号被保険者」ということになります。

第1号被保険者は国民年金の保険料を納めなければならないカテゴリーで、これは専業主婦であっても、納付義務は免れません。同じ専業主婦でも「会社員・公務員の妻」は保険料を納めなくてもよく、「自営業者の妻」は保険料を納めなければならないなんて、ちょっと不公平ですね。

次ページでは、会社員・公務員の妻と自営業者の妻それぞれが年金を受け取る際の格差を検証します。
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