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アメリカ年金の貰い忘れに御用心!(2ページ目)

最近、日本以外の国の年金制度についての質問が増えてきています。年金履歴もグローバル化が進んでいる証拠でしょう。そこで、今回は「アメリカ」の公的年金制度について検証してみたいと思います。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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受給資格期間10年を満たせないと掛金は掛け捨てに?

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社会保障協定は、アメリカの他ドイツ、イギリス、韓国、ベルギー、フランス、カナダとの間で既に締結され、発効している。オーストラリア、オランダ、チェコとも締結され、発効待ちの状態
日本人がアメリカ年金を受け取るとなると、現役時代に何年間かアメリカで働いていた方が想定されます。

前のページでも触れましたが、アメリカ老齢年金の受給資格期間は10年ですから、10年以上アメリカで働いていたって方は、それで受け取れる要件を満たすことができます。

問題は、アメリカに数年間だけ働いたって方です。こういった方について日本では短期在留外国人について「脱退一時金」という保険料の払い戻し制度がありますが、アメリカではそのような払い戻し制度がなく、掛金の支払いについて、最近まで完全な「掛け捨て」状態にありました。

また日本企業に属しながら、アメリカに赴任した場合は、日本の厚生年金に加入し続けながら、アメリカでも掛金を納付する必要が出てくるため、日米双方の掛金を支払う「二重払い」という問題も同時にあったのです。

アメリカの勤務期間が無駄でなくなった!

幸い、現在は「日米社会保障協定」というものが締結され、5年未満の短期赴任の場合は、アメリカの掛金(年金保険税)が免除されることになり、二重払いという問題は解消されることになりました。

また協定締結により、「掛け捨て」の問題についても、日米両方での受給資格期間が10年以上あれば、アメリカ老齢年金の受給資格を満たせることになりました(但し、アメリカでの終了期間が2年以上必要)。

これによりアメリカ老齢年金を受け取る資格を得た人が大幅に増えたわけですが、この新たな要件は過去の納付期間にも適用されますので、貰い忘れも充分有り得る話です。

過去に御自身、御家族でアメリカで働いた(2年以上※)ことがある方は、この貰い忘れがないか確かめていただきたいと思います。アメリカ年金も日本で請求することが可能ですが、受給資格等複雑な面もありますので、詳細は社会保険事務所等で御確認ください。

※ 年金加入期間(アメリカではクレジットと言う)と実際の就労期間とは必ずしも一致しないことに注意。

【関連リンク】
日米社会保障協定における年金請求等の手続き 社会保険庁


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