保険料アップは厚生年金だけではない
厚生年金、健康保険、介護保険は原則1年間保険料は固定されるが、雇用保険は毎月変動する |
通勤手当は基本的に非課税なんですよね。それは、あくまで実費支給という側面があり、自分の所得にはならないってことがその理由なのだと思います。
これに対して、保険料は給料(報酬)に対して一定率で掛けたものとなります。実費だろうが通勤手当も給料(報酬)だから、と言う理由でしょう。厚生年金の保険料に限らず、健康保険料や介護保険料、それに雇用保険料についても、通勤手当が保険料の算定の対象になってしまいます。
厚生年金と健康保険、介護保険の保険料は、給料の約23%にもなり、その半分が本人負担となります。Yさんのように通勤手当が3万円増えると、約3,500円も保険料がアップしてしまう計算になります。
保険料が増えると、その分将来の年金額に反映されるとは言え、手取りが減るのはちょっと「痛い」ですね。
通勤手当の他にも原因不明の保険料アップが
厚生年金(健康保険も同じ)の保険料は基本的に1年間同じ金額(固定的賃金が大幅に変動した場合は、随時変更することがある)となるのですが、この保険料の決定は、毎年4月、5月、6月に受け取る給料の平均で決まります。この3ヶ月の間の給料総額が多くなると、保険料がアップします。給与の中で毎月支給額が変動する典型的なものとして残業手当がありますが、3ヶ月間の残業手当が多くなると3ヶ月の給料総額が増えて保険料がアップすることになります。(6ヵ月分を一度に貰うようなケースは、1ヶ月に均等割りされて給料額とします)
普段は残業なんてないけど、たまたまこの時期だけ忙しくて残業代が増えたっていう場合でも、保険料は1年間アップしてしまうわけです。残業代は手元に残るものだとは言え、残業代がない月も保険料が変わらないと言う面では、手取りの減少と言えます。
何故か厚生年金の保険料が上がった、って方は
引っ越して自宅から会社が遠くなり、通勤代が高くなった。
たまたま4月から6月に残業を(沢山)した。
この2つを疑ってみると良いかもしれません。
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