年金/年金アーカイブ

1年待ちは当たり前、年金記録統合の現状(2ページ目)

宙に浮いた年金記録について、現在統合作業が行なわれていますが、その統合作業に非常に時間が掛かっている現状があります。この訂正作業の遅れによって、思わぬ問題も起こっています。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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遺族年金を請求したYさんの嘆き

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社会保険庁は一連の処理期間を3ヶ月にすることを目標にしているらしいが、実現は困難!?
ある方(Yさん 仮名 老齢年金を受給中)が御主人が亡くなった為、遺族年金を請求することになったのですが、Yさん御自身にも「宙に浮いた年金記録」が見つかりました。

Yさんは遺族年金を請求すると同時に、御自身の年金記録統合の依頼をしたところ、「再裁定されたので、遺族年金が支給されるのはかなり先になってしまいます。」と言われたそうです。

現在でも遺族年金ついては通常3ヶ月程度で支給されるのですが、統合依頼(再裁定)と遺族年金に何の関係があるのでしょうか?

現在、遺族年金は自分の老齢年金と密接な関係になっており、本来の遺族年金額(通常御主人が受け取っておられた老齢厚生年金の4分の3相当)から自分の老齢年金を引いたものが遺族年金として支給される額となります。

Yさんのように老齢年金を再裁定することで老齢年金額が変わるような場合は、老齢年金額が確定するまで遺族年金額が確定できないことになります。

さらなる迅速な処理や柔軟な対応が望まれる

自分の年金が確定する再裁定が終わった後遺族年金の手続きが始まるので、かなり支給がずれ込むわけです。こういったケースは通常の再裁定よりも処理が早くなるようですが、それまではYさん御自身の老齢年金だけでやりくりしなければなりません。

Yさん御自身の老齢年金はわずかな額でしかなく、これからは遺族年金で生活をやりくりする予定なので、遺族年金の支給がすぐに支給されないことを聞かれ、困っておられました。行政の不手際のお陰でやりくりに困るなんて、本当にナンセンスな話です。

本人の再裁定と遺族年金をセットで請求するケースはYさん以外にもあり得る話です。いずれ遡って支給されるとはいえ、それまでの生活のやりくりをどうするのかという問題は残ります。

生活に重大な支障が出るケースについては、国の責任で一定額を仮払いするなど柔軟な対応を求めたいものです。

【関連記事】
「消された」年金記録問題って、一体何?

【関連リンク】
年金記録問題について/社会保険庁

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