記録の統合とは

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統合申請をしたにもかかわらず、まだ処理されていない件数が7月末時点で42万件もあるとのこと。
最近宙に浮いた年金記録の持ち主の方から統合依頼について、一連の作業に非常に時間がかかっている現状が報道されたりしていますが、皆さん御存知でしょうか。

まず、この「一連の統合作業」について簡単に整理をしておきたいと思います。

統合作業は大きく2つあります。それが

■記録の統合
■再裁定
です。

この2つについて簡単に説明すると、「記録の統合」とは、宙に浮いている自分の年金記録を自分の基礎年金番号に統合をすることで、「再裁定」とは、統合した記録を反映した年金額に訂正をすること、となります。

「記録の統合」自体は非常に簡単で、社会保険事務所で統合の申請をすると、自分のものと確認できさえすれば、「その場」で統合することが可能です。

問題は「再裁定」です。これに時間が掛かっている現状があります。まだ年金を受け取っておられない方の記録の訂正については、「再裁定」をする必要がないため、非常に簡単なのですが、既に年金を受け取っておられる方については、「再裁定」が必要となり時間を要することになります。

「再裁定」されて、新たな年金が支給されるのはその後となり、統合申請から実際の支給まで半年から1年程かかっている様です。

再裁定に時間がかかる訳とは

多くの年金を受け取っている方とって、年金が生活の糧なわけです。従って少しでも早く「正しい」年金を支給すべきなのにもかかわらず、何故「再裁定」という作業にこれほど時間がかかるのでしょうか?

まずは事務処理能力の問題です。再裁定の作業に従事している人数が、今年の1月時点ではわずか30人ほど。7月時点でも100人ほどでしかありません。7月1ヶ月間で11万件もの再裁定の申請があるのに対し、それに対応する人数としては、あまりにも少ないと言わざるを得ません。

10月に200人まで増員されたようですが、まだまだ少ないですね。

次に、再裁定という作業の困難さがあります。年金額の修正と言っても、単純に今支給している年金額を変更するだけでは終わりません。宙に浮いた年金記録は過去の記録ですから、過去支給していた年金額も変えなければならないわけです。

通常の年金の再裁定は、時効の関係で5年までしか遡りませんが、今回の宙に浮いた年金記録の再裁定は無制限でさかのぼることになります。社会保険庁に無制限でさかのぼるシステムがないため、これらの作業をほぼ「手作業」で行なっているようです。

これらの状況を見ると、時間がかかって当然の状況です。人数の増員とシステムの改善が急がれます。

次ページで、再裁定がもたらす落とし穴を見ていきます