年金記録統合=年金が増える!?

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平均給料額を意図的に低くする「年金記録改ざん」にも注意が必要
今まで何度か触れさせていただいた「年金記録問題」。先月も1年待ちは当たり前、年金記録統合の現状という記事を書かせていただきました。

年金記録を統合する作業が遅れることで、統合によって増えた年金を受け取るのも遅れてしまうという問題は昨年後半に盛んに報道されたわけですが、そもそも「年金記録を統合する」と必ず「年金が増える」のでしょうか?

年金の計算式は、国民年金の場合簡単にいうと約80万円×加入期間(月数)/480で求められます。加入期間の上限(40年)はあるものの、加入期間が長ければ長いほど年金額は増えるしくみです。ざっくり言うと、加入期間が1年増えると、受取額が年間2万円増えることになります。

そういう意味では、基本的に宙に浮いた国民年金の年金記録が見つかった場合、受け取る年金額が増えると考えて良さそうです。

厚生年金の場合はどうなの?

それではもう一つの年金制度である「厚生年金」も同じ事が言えるのでしょうか?

厚生年金の計算式は平均標準報酬額(月額)×乗率×加入期間(月数)で求められます。乗率を考慮に入れないとすると、平均給料と加入期間で年金額が決まると考えてよいでしょう。

厚生年金も国民年金と同じく、基本的には加入期間が長ければ年金額が増えるシステムなのですが、厚生年金には国民年金にはない「平均報酬額(月額)」という要素があり、これがちょっとクセ者なのです。

平均報酬額(月額)とは、簡単に言うと自分の今まで受け取ってきた給料(年収の12分の1)の平均額です。

例えば、平均報酬額がかなり高い方に宙に浮いた年金記録が見つかったとします。宙に浮いた年金記録について、その期間の平均給料が低かったような場合、加入期間は増えますが、平均報酬額が大きく下がる可能性があります。

その結果、今よりも年金額が少なくなることが(決して多くはありませんが)あり得るのです。

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