国際化が進む21世紀、海外生活は身近なものになりました。

21世紀を迎え、人や経済の動きはますますグローバル化しています。企業の生産拠点が海外に移り、芸術やスポーツなどの世界では、活動の拠点を日本から海外へ移す日本人が増えています。私たちにとって、海外生活は以前より身近なものになってきました。

そこで今回は、海外で暮らすことになったときの年金についてとりあげます。
 

そもそも加入の要件に…


日本の公的年金制度は、働き方などによってどの制度に加入するのか、どの種別の被保険者になるのかが決められています(「転職した場合の保険料は?年金は?」参照)。また、各制度と種別ごとに、国籍や居住地の要件は以下のように定められています。
 
加入制度 被保険者の種別 日本国籍 日本国内の居住
国民年金 第1号被保険者 不要 必要
厚生年金
共済年金
第2号被保険者 不要 不要
国民年金 第3号被保険者 不要 不要


会社員や公務員などの第2号被保険者と専業主婦などの第3号被保険者は、日本国内に住んでいることが加入の要件にはないため、海外転勤などで海外で生活することになっても日本に住んでいるときと変わりなく、年金制度への加入が継続します。

しかし、自営業者等の第1号被保険者は、日本国内に住んでいることが加入の要件になっているため、海外に移住するとその翌日に被保険者の資格を喪失してしまいます。
 

海外在住中の任意加入制度とは?


第1号被保険者だった人が海外に移住すると国民年金は強制加入ではなくなります。そのまま加入しなくても、合算対象(カラ)期間として受給資格に加算されますが(「35歳まで!年金加入期間を必ずチェック」参照)、年金額の計算には算入されないため、受取額は減少してしまいます。

そこで、海外に住んでいても日本の年金制度に加入できる「任意加入」という制度があります。任意加入制度は、日本国籍を持つ20歳以上65歳未満の人ならば利用することができます。この制度を利用して国民年金に加入すると「任意加入被保険者」という資格を取得します。

国民年金の任意加入被保険者は、第1号被保険者と同じ金額の保険料を支払い、同じ内容の給付を受けることができます。ただし、保険料を滞納し、期限内に納付しないと資格を喪失してしまいます。

任意加入制度の手続きについては、日本国内に代わって手続きをしてくれる親族がいる場合といない場合で、申請方法が異なります。日本国内に住んでいる親族(親、兄弟姉妹など)が、代理人となって保険料を納付してくれる場合は、出国前最後に住所のあった市町村役場の窓口で任意加入の手続きを行います。

一方、日本国内に代理人がいない場合は、出国前最後に住所を管轄する社会保険事務所に事務手続きを依頼します。住所地を管轄する社会保険事務所は社会保険庁のHPより調べることができます。手続の詳細も各社会保険事務所で案内してくれるので、事前に調べておくとよいでしょう。

なお、帰国後は、市町村役場の窓口で転入の手続きを行うと、任意加入被保険者から第1号被保険者に変更されます。

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