受給資格期間を満たすには

 
転職やフリーランスとしての独立が珍しくないこのご時世、厚生年金から国民年金へ、共済年金から厚生年金へ、と加入制度が変わった人も多いでしょう。加入制度が変わっても、20歳から60歳までにそれぞれの保険料を納めた期間が合計で25年以上あるかどうかをまずチェックします。この保険料を納付した期間は、「保険料納付済期間」と呼ばれ、老齢年金の額を計算するときにも反映されます。また、経済的などの事情により、国民年金の保険料の納付の免除を受けた期間については、受給資格期間を計算する上でそのままカウントすることができます。

それでは、さまざまなキャリアを経験したイチロウさんを例にとって、受給資格期間を満たしているかどうかみてみましょう。

【例1】イチロウさん(45歳)は、フリーのイラストレーターです。国民年金の対象となった20歳以降は保険料は納付しており、大学卒業後に市役所に勤めましたが、30歳でデザイン会社に転職。その後は36歳で会社から独立し、フリーランスとなりました。イチロウさんの45歳時点での加入状況は、以下のとおりです。納付済期間の合計は25年あるので、すでに受給資格期間は満たしています(ただし、実際に年金をもらうのは65歳からです)。
 

専業主婦や海外滞在期間がある場合はどうなる?

昭和61年4月の年金制度改正前は、専業主婦(会社員等の妻)や学生は年金に加入するかどうかは任意で決めることができました。「入っても入らなくてもどちらでもいい」ということで、「入らない」ことを選択していた人も大勢いました。ところが、改正によって専業主婦は強制加入の対象となりました(第3号被保険者)。けれども「今更加入しても、間に合わない」という人のために、任意加入とされ加入しなかった期間を、受給資格期間にプラスできることになりました。ただし、この期間は実際には年金額には反映されないので、「カラ期間(合算対象期間)」と呼ばれています。

学生については、その後の平成3年3月までは任意加入であったため、加入しなかった場合はその期間はカラ期間となります。また、学生時代や卒業後に海外留学した人についても、海外滞在期間は現在でも任意加入ですので、加入しない場合はカラ期間になります。一方、会社の転勤で海外で働く会社員とその妻(専業主婦)の場合は、そのまま第2号被保険者と第3号被保険者であり、年金加入歴は継続されます。

【例2】イチロウさんの妻、ユミコさんは43歳の専業主婦。国民年金の対象となった20歳以降は任意加入はせず、大学を卒業した後、アメリカに2年間留学しました。帰国後は翻訳事務所に就職し、30歳でイチロウさんと結婚し、その後も仕事を続けましたが、出産後は育児に専念するため33歳で専業主婦となりました。ユミコさんの43歳時点での加入状況は、以下のとおりです。納付済期間とカラ期間を合わせて23年なので、受給資格期間を満たすまではあと2年となります。
ユミコ

 

カラ期間はまだまだあります(次ページへ続く)