見逃せない「被保険者の年齢層拡大」
20歳以上の人から保険料を徴収する案が検討されています |
(1)施設介護の給付抑制
(2)予防重視型システムへの転換
(3)保険料を負担する被保険者の年齢層拡大
の3点です。
(1)施設介護の給付抑制
特別養護老人ホームなどで暮らす高齢者に、入居費や食費などの負担を増やそうという方向です。現在は、在宅で介護するよりも施設に入ったほうが費用が安くなる傾向にあるため、施設入居希望者が増加し、多くの人が待機している状態です。本来は在宅介護をしやすくするために導入されたこの制度に矛盾が起こっているといえます。
(2)予防重視型システムへの転換
介護状態の軽い人は、介護サービスを利用することで家事をしなくなり、症状を悪化させる可能性があるとの指摘から、筋力強化など「介護の予防」のサービスを提供することが検討されています。
(3)保険料を負担する被保険者の年齢層拡大
これは一方的に保険料負担だけを求める話ではなく、介護サービスを受ける対象を若年層の障害者にまで広げようという話とも関係しています。
現在は「加齢に伴う介護」が原則で、それ以外は障害者福祉サービスによって税金でまかなわれています。
40歳未満の人に関係してくるのは3番目。仮にこの改革が通ると2006年度から保険料の徴収がはじまり、20歳から毎月2800円の保険料負担となります。そして保険料は段階的にアップし、2012年には3900円になる見通しです。
ただでさえ、2004年10月から厚生年金保険料がアップしており、会社員の手取り収入は減る一方であるのに、また新たな負担が増えたり、頻繁に制度が変わるのは不信感をあおるもとにもなりかねません。
年明け早々に国会へ改正案が提出されるとのことなので、今後の行方に注目です。
<関連サイト>
介護保険制度の見直しについて(厚生労働省)