投資信託を売るタイミング、いつがいい?

投資信託協会のデータによると、2017年3月の末現在の、株式投資信託の純資産総額は前月末比9829億円増の85兆9382億円となり、2か月連続で過去最高を更新しました。増加の理由としては日銀の買い入れなどが大きいそうですが、NISAでの投信の積立が注目されていたり、iDeCo(個人型確定拠出年金)の対象者が広がったりなど、個人の投資信託購入もこれからますます増えそうです。

投信が値上がりしてる!undefined今、売ったほうがいいのかな?

投信が値上がりしてる! 今、売ったほうがいいのかな?

投資信託の運用が好調のときには売るべき?

2017年5月15日現在、日経平均株価は2万円台に届きそうなところにきています。日本株に多く投資している投信では、値上がりしている商品も多そうですね。そんなとき、ふと、「今持っているこの投信、また値下がりしないうちに、いったん売ったほうがいいのかな。いや、もう少し値上がりを待ったほうがいいのかな…」という悩みが生じるものです。

そんなときに思い出してほしいのが、「投資信託ってどういう商品だったっけ?」ということです。個別の株式に投資しているなら、市場の変化を見ながら、売買をしていくことが必要です。でも、あなたが持っているのは投資信託です。面倒なことをすべてプロ(ファンドマネージャー)がやってくれるのが、投資信託のよいことろのはずです。投資信託の購入者は、自分では何もしなくても(投資信託を持っているだけで)、常に有望と思われる銘柄を保有し、見込みのない銘柄を除くことができるわけですから、投資信託自体をタイミングを見計らってこまめに売買する必要はないのです。

売って、そのあとどうするの?

「今持っている投資信託は、運用がまったく上手くいっていないから整理したい」、「外国債券に投資する投資信託が好調で、気がついたら、自分の資産の半分近くが外国債券になってしまった。これでは資産のバランスが悪いので、少し売って日本の株式に投資する投資信託を買い足したい」などという場合は、売却してほかの投資信託を購入するというのは有効なことです。

しかし、「値上がりしているから、いったん売っておこうかな」という人に「売って、その後どうするんですか?」と質問すると、「何か別の投資信託を探して買おうかな」という答えが返ってくることがあります。そういう人は、投資信託を売買することでかさんでいくコスト(購入手数料や解約時の信託財産留保額) を忘れているのかもしれません。

売却して、また似たような何かに投資するというのなら、売却しないで今の投資信託を持ち続けたほうがコストは少なくて済みます。運用がうまくいっている投資信託をわざわざコストをかけて売る必要はありません。

投資信託の売り時とは?

では、投資信託はいつ売却するのがよいのでしょうか。それは、「お金が必要になった時」です。「そろそろ家のリフォームが必要かな」「子どもが再来年には大学受験だ」など、お金が必要になる時期が近づいてきたら必要な分だけ売却すればよいのです。

「来週までに大学入学金を払わないといけないという時に、その投資信託が値下がりしていたらどうするんですか?」という質問が出そうですね。ここでまたまた基本に立ち返りましょう。
時間をかけて資産を育てていく

時間をかけて資産を育てていく

投資は「当面は使わないお金」で行うのが基本です。あと数年で使用時期が来ると思ったら、基準価額が高いと思われる時期に売却し、使用予定時期にちょうど満期がくる定期預金や国債などに預け換えておけばよいのです。「来週までの1週間」では上手に売るのは困難でも、「数年後までに」というのなら大丈夫でしょう。

このとき、「一番値上がりしているところで売却するぞ!」と欲を出すのは禁物。「リスクのある利殖性」と「安全性」のどちらを優先すべきかを、そのお金の使用目的や使用時期までの残り期間などで判断してください。一度に売却する必要はありません。一部を売却して安全性重視の資産に変え、残りは引き続き運用を続ける、またしばらく経って資産が増えたら一部を売却して安全性重視の資産に変え……、というように、使用する時期までに数回に分けて売却していってもよいのです。

金融商品のこまめな売り買いは、そのたびに「儲かった!」という気持ちがして楽しいものですが、そういう楽しみは個別株式への投資で味わうのはいかがでしょうか。優れた投資信託は、長期にわたって資産を増やしてくれるものですから、「信じて託す」気持ちで長くつき合うのがおすすめです。
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