老後資金の準備はいつから始める?
これからいろいろお金がかかるけど、老後の資金も今からキチンと準備をしないと…… |
「老後=リタイア以降」と考えると、老後は何歳から始まるのでしょうか? 60歳定年制が定着した昭和50年代の頃の男性の平均寿命は70~75歳くらいでした。つまり、定年後10~15年程度の老後資金を準備していれば良かったのです。その頃は退職金と年金だけで老後の生活費を十分に賄うことができたのです。
ところが現在のように平均寿命が80歳に到達するような時代になると、年金や退職金だけで、20年以上の老後の生活費を賄うことはできません。何も手を打たないでいると、老後の生活費を確保するために、70歳くらいまで働く必要が出てくるかもしれません。
もちろん70歳まで働くことが悪いわけではありませんが、できるだけ長い期間の老後を悠々自適に過ごしたいものです。問題はこの老後の期間をどのくらい希望するかどうかということです。60歳からなのか、65歳からなのか、70歳からなのか……その選択肢によって、老後の生活に必要なお金が変わってくるのです。
夫婦で老後の時期(お互いのリタイアの時期)を設定し、老後に必要な資金の見積もりを行い、リタイアまでに必要なお金を準備するための計画をつくることが大切なのです。
■老後資金準備は、教育資金・住宅資金が終わってからでは間に合わない
人生の三大支出として「教育資金」「住宅資金」「老後資金」が挙げられます。私たちの親の世代は、20代に結婚・出産、30代に住宅購入、40代で教育資金、50代で老後資金準備というように、各年代で貯蓄のテーマがあり、それを一つずつクリアしていくことで、人生のお金の問題を比較的容易に解決することができました。
ところが私たちの時代は、晩婚化の影響もあり、30代から40代にかけて、結婚・出産・住宅購入というライフイベントが集中し、50代には教育資金の負担が重くて十分な貯蓄ができず、退職金も住宅ローンの返済に充てられ、老後資金の準備が十分にできないライフプランになっています。
■老後資金準備は今すぐ始める
ライフイベントが一通り終わってから老後資金の準備に移ることのできない今の20~40代の人は、老後資金の準備を他のライフイベントにかかる資金と同時並行で準備しなければなりません。つまり、家計に入ってくる収入から老後の準備資金を差し引いて、その残りで他のライフイベントのための貯蓄や生活費を賄うようにするのです。老後資金の準備は「余裕ができたらそのうちに」ではなく、「家計を見直して今すぐに」するべきなのです。