将来の年金はどうなる? 厳しい年金財政
年金記録問題だけじゃない、年金制度存亡の危機!? |
夫婦共働きならば2人で貰える年金額は意外に多いのですが、それで安心してばかりはいられません。年金記録問題や年金保険料の未納問題でここ数年、年金制度に対して不安に思われている人も多いと思います。さらに不安を煽るわけではないのですが、急速に進んだ日本の高齢社会から考えると、現在の年金制度を維持することは極めて難しい状況にあります。
※平成21年版高齢社会白書より、ガイド平野泰嗣が作成 |
■現役世代1.3人で高齢者1人を支える社会の到来
上の図表は、65歳以上の高齢人口と15~64歳の生産年齢人口の比率に年次推移をまとめたもので、1975年には1人の高齢者を8.6人の現役世代が支えていたのに対し、2005年には高齢者1人に対し現役世代3.3人になっています。更にその50年後の2055年には高齢者1人に対し現役世代1.3人で支える必要が出てきます。このように考えると、給料から引かれる年金保険料は大幅に増え、将来貰える年金額は大幅に減ってしまう可能性が大いにあります。
※イメージ図、ガイド平野泰嗣が作成 |
また、図表の右側のように、現役世代を15~69歳、高齢人口を70歳としても、2055年には、高齢者1人を1.7人の現役世代が支えるという厳しい状況です。アメリカ、ドイツでは、年金の支給開始年齢が65歳から67歳に段階的に引き上げられることになっています。世界でダントツの高齢人口を抱える日本では、年金の支給開始年齢が現在の65歳から70歳に引き上げられることも十分に考えられます。
自分たちが長生きをすることや、年金の受給水準の引き下げ・受給開始年齢が引き上げという年金制度の変更に備えた、老後資金準備が必要と言えるでしょう。