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どこで育てる? 子育て支援格差!?(2ページ目)

ある意識調査によると持ちたい子どもの人数の理想と現実に大きなギャップがあるそうです。その理由は、お金の問題や子育て環境などさまざまです。今回は、共働きに役立つ子育て支援について紹介します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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国の少子化対策は拡充傾向

勉強
出産・子育て支援策はいろいろある!
世界に類を見ない少子高齢社会を迎える日本。2005年、初めて総人口が減少に転じ、出生数は106万人、合計特殊出生率は1.26と、いずれも過去最低を記録しました。このまま少子化傾向が続けば、2055年には、総人口は9千万人を下回り、高齢化率は4割、1年間に生まれる子どもの数は50万人を下回るなど、少子高齢化について厳しい見通しが示されています。そんな中、国としても出産・子育てを支援するためにさまざまな金銭的な支援策を講じています。最近の主な支援策の拡充をご紹介します。

■出産育児一時金の増額(平成21年10月~平成23年3月末までの暫定)
医療保険制度(健康保険や国民健康保険など)における出産育児一時金については、現在の支給額は、原則38万円(※)です。平成21年10月からは支給額を4万円引き上げ、原則42万円(※)となります。(※ 「産科医療補償制度」に加入している病院などで分娩した等の場合に限る)

また、現在は出産にかかる費用を病院などに払った後、被保険者からの申請により、各医療保険者から出産育児一時金を事後払いしています。手元に現金がなくても安心して出産できるようにするため、平成21年10月からは、出産費用に出産育児一時金を直接充てることができるよう、原則として、各医療保険者から直接病院などに出産育児一時金を支払う仕組みに改正されます。

■育児休業給付金の給付率アップ(平成22年4月より)
これまでの育児休業者職場復帰給付金と育児休業基本給付金を統合し、これを育児休業給付金として一本化することとし、育児休業給付金の額を、休業開始前の賃金日額×支給日数×40/100としました。

現在は、育児休業者職場復帰給付金(20/100)と育児休業基本給付金(30/100)の支給となっています。育児休業者職場復帰給付金は、暫定措置により当面の間10/100から20/100に増額されており、一本化後は、育児休業基本給付金の支給額は50/100となります。

■児童手当の拡充(平成19年4月より実施済み)
児童手当制度は、児童を養育している方に手当(3歳未満 一律10,000円、3歳以上 第1・2子5,000円、第3子以降10,000円)を支給することにより家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的にしています。

支給対象年齢が、これまでの小学校3年生(9歳到達後最初の年度末)までから、小学校6年生(12歳到達後最初の年度末)までに拡大され、あわせて、所得制限が引き上げられました。

■子育て応援特別手当て
子育て応援手当ては、国の緊急生活支援策として、定額給付金とは別に小学校就学前3年間に属する子どもを育てる世帯の世帯主に対し、対象者1人当たり36,000円の手当てを支給するものです。平成20年度は、第2子以降の子どもを支給対象としていましたが、平成21年度は第1子から支給対象にする予定です。

■永続的な支援策でないことに注意
児童手当を除く、出産育児一時金、育児休業給付金の給付率アップ、子育て応援特別手当の支給は、暫定措置であり、永続的な支援ではないので注意が必要です。少子化対策は継続的に行われるべきものだと思いますが、残念ながら現在のところ一時的な支援措置にとどまっています。

地域ごとに違う!? 地方自治体の出産・子育て支援策

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