「多重債務者」とは、クレジットや消費者ローンなど消費者信用の利用で、複数の債権者に対する返済が著しく困難になった者の事を言います。今回は、多重債務者の近年の傾向と実例について(財)日本クレジットカウンセリング協会に伺いました。

(財)日本クレジットカウンセリング協会については、前回のコラム 1人で悩まず、今すぐ相談!<1>もご覧下さい。

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1 最近の傾向 消費者信用の利用

2 実例 「自殺を考えました」
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1 最近の傾向

消費者信用
 お金を借りたり、カードで買物をしたりという消費者信用の利用は、今や私たちの身近にあり、特別なものではなくなっています。では、年間にどれくらいカードや消費者金融の利用額があるのか見てみましょう。

(社)日本クレジット産業協会調べ (2000年)
販売信用(カードで買物)34兆6490億円
消費者金融(住宅ローンを除く)38兆9378億円
合計73兆5868億円


これは、一世帯当たり、年間およそ160万円利用している計算になります。あくまで平均ですが、毎月13万円以上払わなければいけない事になり、利用額の多さに驚かされます。2001年は、個人の自己破産申立件数が16万457件、過去最高になりました。その予備軍とも言われる多重債務者は、一説によると150万人とも言われています。

(財)日本クレジットカウンセリング協会への問い合わせ件数
1999年 7146件
2000年 7811件
2001年10117件


相談の問い合わせも、年々増加しています。これは、相談機関として協会が認知されてきたと同時に、多重債務者の増加を裏付けるものでもあります。

地域別で見ると、関東はほぼ変わらず。北海道、東北、近畿からの相談が増えています。

年齢(2001年)
 トップは、30歳代。20歳代以下は減り、中高年の増加が目立ちます。男女比は7:3。中高年の男性といえば、住宅ローンの返済もあるので、債務額も増加傾向にあります。

平均債務件数、債務額
 昨年(2001年)相談者が申告した債務の総額、71億4271円。平均の債務件数は10件、平均債務額は738万円。

原因(2001年)
1位 生活費
2位 遊興、飲食、交際費
3位 ギャンブル
4位 収入減少
5位 失業、倒産

1998年から1位と2位が逆転し、「生活費」がトップに。昨年は「生活費」が、全体の40%と圧倒的に高く、4位「収入減少」や5位「失業」も前々年度の約2倍になっています。生活苦から、生活費を借りて返せなくなるケースが増えていることがわかります。

カウンセラーのお話では、女性はエステで多額のローンを組むケース、男性はパチンコなどがやめられないケースも多いそうです。

次は、自殺も考えたある相談者の実例をご紹介します。