急な出費の中でも、病気やケガでの入院や治療費は避けても避けれないもの。予測も出来ないだけに、漠然とした不安が多いもの |
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成16年度)によると、入院した時にかかる自己負担費用は、平均26万円だとか。また、1割以上が50万円以上もかかったそう。
このようなデータを見て、医療保険などに入らないと……と思う人もいますが、ちょっと待ってください。健康保険には「高額療養費」というものがあります。これは、医療費の自己負担分が一定額以上になると、それ以上は負担しなくていいというもの。つまり、いくら医療費が増えても、自己負担の金額は一定額以上は増えないというものなのです。
医療費の自己負担が一定額を超えると「高額医療費」が支給される
病気やけがをした時の診察や手術、投薬、入院などにかかる医療費は、3割が自己負担、7割が健康保険から給付されます(ただし、3歳未満は2割、70歳以上は1割、70歳以上の現役並みの所得者は3割が自己負担分)。このように、自分自身で支払うのは、かかった医療費の3割(3歳未満は2割、70歳以上は1割か3割)ですが、入院などで医療費が多くかかった時は、自己負担額もかなり高額になります。こんな時には「高額療養費」というのが設けられており、自己負担分が一定額を超えた場合は、それ以上の負担金は払わなくてもいいのです。
一般で医療費自己負担額は月8万円強まで
<高額療養費 自己負担額>
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1か月の自己負担額がこの額を超えた時、高度療養費が支給される。実質上の自己負担額は、この表の金額となる |
上は、医療費の自己負担の一定額の表です。この金額を超える分は、高額療養費として、健康保険から支給されるのです。一般の家庭では、医療費が267,000円(自己負担分が80,100円)以上の時に、高額療養費が適用されるということです。月にだいたい8万円台が自己負担の上限といったところでしょうか。
ここでの医療費とは、保険適用分の医療費となります。先端医療や差額ベッド代、入院時の食事代などは対象となりませんのでご注意を。また、表の医療費というのは医療費全体を指します。自己負担分(医療費の3割)とは違います。
急な病気やケガで思わぬ出費という時でも、支払うべき医療費がある程度抑えられるというのは、何かと安心です。
次のページでは、 高額療養費の支払い例、家族内で医療費がかかった時の考え方などを紹介をしましょう。