お給料から天引きされることが「源泉徴収」
自分が所得税をいくら払っているかを知らないサラリーマン(ウーマン)が多いようです。確かに、自分のお財布から所得税を払っているわけではありません。お給料から天引きされているため、税金を納めている実感がないのですね。
このお給料から天引きされることが「源泉徴収」。今回は、この源泉徴収についてご紹介します。
<源泉徴収 目次>
このお給料から天引きされることが「源泉徴収」。今回は、この源泉徴収についてご紹介します。
<源泉徴収 目次>
源泉徴収とは、所得を支払う側が所得税を納税
「源泉徴収」とは、所得の支払者(会社)が、その(給与)支払時に所定の所得税を徴収して国に納付するというものです。給与などの所得が支払われる前に、所得税を差し引いて納付もれがないようにしようということですね。所得を支払う側(会社)は、支払いがあった翌月にはその徴収した所得税を国に納付しています。会社が税金の徴収を代行しているともいえます。 この源泉徴収制度ですが、お給料以外にも適用されていますよ。
利子、配当、年金なども源泉徴収
預貯金につく利子から税金がひかれていますが、これも「源泉徴収」です。他にも、国債や地方債などの利子や株式の配当金なども源泉徴収の対象となります。公的年金から税金がひかれているのも源泉徴収。お金が手元に入る前に、税金が納められているわけですね。
当選した賞品も源泉徴収の対象
他にも、原稿料や講演料、弁護士や税理士に支払われる報酬、ホステスなどへの報酬、プロ野球選手などの専属契約金も源泉徴収の対象です。また、広告宣伝などで支払われる賞品も源泉徴収の対象ですよ。抽選であたった賞品や、クイズ番組などでもらえる賞品も対象です。現金以外でも、品物でも評価されて(一般の品物であれば販売価額の60%相当額など)、源泉徴収の対象となります。
ただし、50万円以下の場合は源泉徴収の対象とはなりません。
色々な場面で源泉徴収をされていることがわかりました。
給与や退職金も源泉徴収
お給料などの源泉徴収は、会社が給与を支払う時に所定の所得税を差し引いて従業員に支払い、徴収した所得税を従業員に代わって国に納付するという制度です。毎月の給与はもちろん、ボーナスや退職金も源泉徴収が行われます。パートやアルバイトのお給料も対象となります。会社も税務署の仕事の肩代わりをしているようなものですね。
給与の場合、扶養者の数と給与額によって税額が決まる
この源泉徴収される金額はどのように決まるのでしょうか? 国税局から「源泉徴収税額表」が出されており、そこから源泉徴収するべき金額が分かるようになっています。給与の場合は、支払われる給与の金額と扶養親族の数によって税額が決まります。 退職金の場合は、勤続年数と退職金の金額によって決まります。
給与は年末調整で税額決定
このように給与や退職金が支給される前に収めているのが源泉徴収です。これは税金の仮払いみたいなもの。正式には1年間の所得とそれぞれの控除などで所得税が正式に決まります。これをするのが年末調整。会社が1年の収入と、社会保険料や生命保険、扶養家族などの控除を計算して最終的な所得税を計算します。
その決まった所得税とそれまで源泉徴収された合計との差額の精算も年末調整で行われます。支払った源泉徴収額の方が多かったら、税金が還付されるということです。給与における源泉徴収は所得税の前払い、仮払いといったところですね。
退職金は「退職所得の受給に関する申告書」の有無で源泉徴収額が変わる
退職金についても源泉徴収されますが、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しているかどうかで徴収税が変わります。「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合は、勤続年数に応じて正確に退職所得金額を計算し、税額が決められています。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合は、勤続年数に関係なく、退職金に20.42%の税率をかけたものが源泉徴収されています。ほとんどの場合、この金額は実際の税額より多くなっているため、確定申告をして払い過ぎた税金を還付してもらいましょう。
医療費控除などは確定申告を
ほとんどの人は所得税関係は年末調整で終わります。しかし、年末調整でできない控除や年末調整後に家族の状況が変わった場合などは確定申告をします。この確定申告で、所得税が最終的に決まるということですね。控除を新たに申請すると(医療費控除を受ける時、住宅ローン減税を新たに受ける時、年末調整の後に子どもが生まれて扶養家族が増えた時など)、所得税が戻って(還付)きます。
このように、源泉徴収は納税者が知らない間に税金を納めているというものです。普段からしっかりと税額をチェックしておきたいですね。
また、給与から源泉徴収されている人は、その税額がどのように決まっていくのかも把握しておきましょう。詳しくは「『源泉徴収票』で税金の払いすぎをチェックをご覧ください。税金の決まり方を知っていれば、払いすぎなどのチェックもしっかりできますよ。