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火災保険の必要性1 延焼被害も賠償なし(2ページ目)

隣家からの火事で延焼被害に遭い、新築したばかりのわが家が全焼してしまったら?もちろん、火元なのですから、隣家には賠償義務が生じると思うでしょう。

清水 香

執筆者:清水 香

火災保険の選び方ガイド

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「軽過失」と「重過失」の違いは

うっかりストーブを消し忘れ…これって軽過失?それとも重過失?
うっかりストーブを消し忘れ…これって軽過失?それとも重過失?
まず「軽過失」というのは、誰でも起こしてしまう程度のうっかりミスのこと。つまり、軽過失による火災とは、たとえばストーブの消し忘れ(注:必ずしもそうとは限らず、個別具体的な状況によりケースバイケースですが)といったちょっとした不注意がもとで発生した火災を指します。その場合、隣家に延焼被害を与えても、賠償責任は生じません。

一方「重過失」とは、わざと(=「故意」といいます)ではないにせよ、怠ってはならない重大な注意を払わなかったこと。よって、重過失による火災とは、注意を払わないと大変な結果になることが充分想定できるにもかかわらず、それを怠ったために起きた火災ということです。過去の判例によれば、天ぷら油を加熱したまま現場を離れたことが原因で生じた火災事故が重過失と認定されています。この場合、失火責任法の適用はなく、隣家に対する賠償義務が生じるわけです。

また、ガスなどによる爆発事故は、失火責任法の対象にはなりません。よって隣家に爆発による被害を与えた場合には、賠償しなければなりません。
 

万が一、わが家が火元になってしまったら

万が一、わが家が火元になってしまったら…
万が一、わが家が火元になってしまったら…
わが家が万が一火元となり、重過失認定を受け隣家への賠償責任が生じたなら、それはわが家の家計に壊滅的なダメージを与えるでしょう。

こうした場合、個人賠償責任保険、あるいは火災保険その他にセットされている個人賠償責任補償(特約)が力になります。個人賠償責任補償が保険金を支払わないと定めているのは、被保険者の故意によるものだけ。重大な過失により生じた賠償責任は保険金の支払い対象です。あわせて爆発事故も補償されます。

なお、賃貸暮らしをしている人が火事を起こし、建物に損害を与えたら?
この場合、建物オーナーと賃貸借契約を結んでいる借家人には建物を元に戻して返す義務(=「原状回復義務」といいます)があり、賠償しなければなりません。こうした場合に備えて、借家人賠償責任保険がセットされた火災保険を、賃貸借契約を結ぶ時に契約しているわけです。
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