ウチは何インチまで入るの? 画面サイズという大問題
大きさの選び方としては、一言で言うと現代のハイビジョンテレビは画面のタテ寸法の3倍離れて見ることができればよいです。かつてのSD画質のテレビは走査線数525本をインターレース(間引き走査)して2回に分けて画を描いていました。そのため、近くで見ると画像の荒さが見えてしまいます。
それに比べ、ハイビジョン対応と呼ばれるものが垂直720画素、フルハイビジョンなら1080画素を一度に描画します。したがって映像が格段にきめ細かくなり、画面近くまで寄って見ることができるようになりました。
ブラウン管のSD画質は画面のタテ(Hと略します)の5倍離れてみるように推奨されていました。たとえば当時の最大サイズの36型のブラウン管テレビの場合、2メートル離れて見るのがルールだったのです。それが現代のハイビジョンテレビなら3H(テレビのタテサイズの3倍)以上あればOKです。
たとえば37V型の場合、画面の高さ約46cmの3倍、約140cm以上、また50V型の場合約60cmの3倍、約180cm以上が適視距離となります。6畳間(340×255cm)の短辺の壁にテレビとソファを置いて、50V型のテレビを置くことだってできないわけでありません。実際、テレビメーカーの公式サイトの「画面サイズの選び方」を見るとできるだけ大きな画面サイズを選ぶことを薦めていますね。
電源を切っているときのテレビは意外と鬱陶しい!?
しかし、これは公式であり一般論に過ぎません。あなたにとってテレビがどれだけ生活のなかで比重を占めているかが重要なのです。数字上可能だからといって無理に大型テレビを入れて窮屈な思いをするのなら本末転倒。第一映像が消えている時(見ていない時)の大画面テレビはけっこう鬱陶しいものです。だから部屋の広さと画面サイズの関係は一概に言えません。私がテレビ番組で一般家庭のお宅に伺ってテレビ購入のお手伝いをするとき、必ず薄型テレビの主要な画面サイズに切り抜いたボール紙を持参するようにしています。これをテレビに見立てて部屋のしかるべき場所に置いてみてシミュレーションするのです。
フルハイビジョンは外せない
サイズによらず、フルハイビジョンの製品をお求めになることをお薦めします。なぜならテレビは買ったら10年は使うものだからです。現在の地デジはフルハイビジョンに達していない場合が多いのですが、放送方式はつねに変わっていきます。「もっと大きくてきめ細かい画面がよかった」なんて後悔することがないようにしましょう。わかりやすくブラウン管テレビと比べるなら、「テレビは日常の情報の道具だから、映像が鮮明であまり場所をとらず使いやすいほうがいい」というならば、25インチなら37V、29インチなら42V、といった感じで、これまで使っていたテレビより対角線サイズで約1.5倍大きいことを目安に選ぶといいでしょう。
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