テレビ/テレビの選び方

液晶テレビ、プラズマテレビ、どっちを選ぶ?

液晶とプラズマは一見そっくりですが、別の原理で映像を映し出します。長所欠点を知り、あなた(もしくは、あなたの家庭)のテレビ視聴スタイルに合う方式を選ばなければなりません。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

テレビ選びで大切なのはテレビ視聴スタイルを考えること

液晶かプラズマか――。どういうコンテンツを、どういうスタイルで見るか、それにあわせて選びましょう

液晶かプラズマか――。どういうコンテンツを、どういうスタイルで見るか、それにあわせて選びましょう

薄型テレビには、液晶方式とプラズマ方式の二種類があります。正確には有機ELやFEDという他方式もありますが、普及していませんので除外します。テレビ、ことに大画面を買うなら、見た目はそっくりの二方式のどちらを選ぶか早い段階に決めなければいけません。

現実には、エコポイント特需以来、液晶方式が販売比率上9割を超え薄型テレビの圧倒的主流の座にあります。

液晶方式はバックライトを持ち明るいため、どこにおいてもクッキリシャッキリした画が得られ使用環境を選びません。また、小画面から大画面までサイズの選択肢が広いのです。一般に求められる「テレビ」の条件に適っています。弱点として水平視野角が狭く、斜め横から見るとコントラストや色表現が低下します。

一方のプラズマテレビは、構造がシンプルで大画面が生産しやすい特長があります。しかし、自発光であるため液晶方式ほど画面を明るくできません。ですから、昼間遮光ができなかったり、蛍光灯を主照明にしたリビングでは、ややキレのない画に見えます。

そうはいっても、液晶方式と見比べた上の話であって、別に実用上問題はありませんし、反対に明るさを下げた環境では、しっとりとなめらかな映像を楽しむことが出来ます。色域(描き出す色の種類、幅)も広く、艶のある映像です。

よく選び方ガイドで「黒が完全に沈むのはプラズマ」という紹介を見ますが、これは間違い。同方式の場合、改善されたといえ予備発光と蛍光の残光現象がゼロになったわけではありませんので、部屋を真っ暗にした場合、黒を出画した場合もうっすらと明るんでいるのがわかります。一方、液晶方式はバックライトの駆動方式の改善でほぼ完全な黒が出せる製品がソニー、東芝から現れています。

プラズマ=黒表現というのは、暗部で早めに黒を引き込む画作りから生まれたイメージから生れたものが大きいのです。しかし、部屋を完全に真っ暗にして映像を見る方はいないでしょう。ある程度までの暗さでは、プラズマの方がしっとりと深い黒が出ることは事実です。

しかし、プラズマ方式の弱点として、消費電力が大きいことが挙げられます。消費電力で同じ画面サイズの液晶方式の2倍程度と考えてください。

あなたが、日常使い勝手のよい「テレビ」を求めるなら、迷わず液晶方式をお薦めします。特に視野角についてあまり神経質にならなくてよいパーソナルテレビの場合は、サイズの面からも液晶方式以外考えられません。

映画に代表されるハイビジョンコンテンツを、光量の調整の出来るリビングで楽しむなら、プラズマ方式(ただし、フルハイビジョンに限る)をご検討ください。液晶方式はLEDバックライトの登場で改善されたといえ、平坦な光源を直接目視している感覚がどこか拭えないのです。一方のプラズマ方式は、長時間見ていて快適な没入感が味わえます。

余計な話かもしれませんが、筆者宅では50Vのプラズマ、37Vと26Vの2台の液晶方式が稼働中です。

次のページでは、おすすめの液晶テレビ、プラズマテレビをご紹介します。

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