特定口座とは
特定口座でも、確定申告を行うと税金が還付される場合もあります。自分はどうなのかをしっかりと把握しましょう!
投資家は原則、自分で株式等の売買による損益通算を行い、確定申告をしなければなりません。しかし、特定口座を利用すれば、証券会社等が譲渡損益等を計算した年間取引報告書を送ってくれますので、これを用いて簡易に確定申告を行うことができます。
「源泉徴収あり」を選択すれば、金融機関が税金を源泉徴収してくれるため、納税の手間を省くことができます。一方、「源泉徴収なし」を選択すれば、年間取引報告書はあっても自分で確定申告を行わなければなりません。
特定口座であっても確定申告を行うことで、譲渡損失の3年間繰越控除の適用を受けたり、株式等の配当所得と損益通算することができます。覚えておいて損はありません。
ちなみに、一般口座の場合は、「取引報告書」等を元に自分で譲渡損益を計算して確定申告を行います。頻繁に売買を行う場合は、かなりの作業を伴うことが予想されますので、自分の取引に向いている口座がどれなのかを検討しておくとよいでしょう。
特定口座の主な商品
特定口座の主な対象商品としては、下記のものがあります。平成28年1月1日以降は、特定公社債等も特定口座の対象となります。- 上場株式
- 外国上場株式
- 国内外の株式投資信託
- 株式累積投資
- 信用取引の差金決済による譲渡損益
- 国内外の公社債、公募公社債投資信託
特定口座でも確定申告をするメリット
特定口座のメリットは、確定申告や納税が楽になる点ですが、確定申告を行うことで税金が戻ってくる場合もあります。どのような場合があるのかまとめました。- 複数の証券会社に特定口座を持っていて、その内のいずれかが損失になっている場合には、損益通算を行うことができます。
- 特定口座と一般口座のいずれかが損失になっている場合には、損益通算を行うことができます。
- 特定口座(源泉徴収あり)の年間の利益が一定額以下で、かつ、その年の所得金額と儲けの合計額が所得控除を超えない場合。
どちらの口座を選択すればよいのか迷っている場合には、とりあえず特定口座を選択しておいて損はありません。ただし、確定申告を行う必要がある場合について覚えておき、必要に応じて申告を行うことが大切です。
NISAの利用も検討してみよう
平成26年から個人投資家への税制優遇策としてNISA(ニーサ)、少額投資非課税制度が始まりました。NISA口座では、年間120万円 (投資した年から最大5年間)までの非課税投資枠から得られた譲渡益、分配金・配当金に対して非課税になります。なお、損益通算はできませんので注意が必要です。そしてジュニアNISA(20歳未満の口座開設が可能。年間80万円)が平成28年から始まりました。NISA同様、非課税投資枠から得られた譲渡益、分配金・配当金に対して非課税になりますが、損益通算はできません。さらにジュニアNISAの場合には、原則として未成年者が18歳になるまでは現金も株式も払出しが行えません。非課税につられて安易に利用してしまうと、教育資金の引き出しが行えないという事態に陥る場合もあるかもしれません。ジュニアNISAについてはよく考えて利用しましょう。
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