長期契約のデメリット

質権設定の火災保険といえばローン期間に併せて加入しますので、当然保険期間も長期になります。長期で契約するとどんなデメリットがあるのでしょうか?

火災保険に限らず、モノの保険は全てその「モノの価値」の範囲で保険金額が設定されます。したがって、10万円の商品に保険を掛けようと思ったとき、20万円の保険金を受け取るような契約は不可能となります。保険金を受け取ることで損害を上回るいわば利益を得ることを俗に「焼け太り」といいます。

また、この反対もあります。
10万円の商品に対し、5万円しか保険加入しないケースです。この場合当然保険料は半分になりますし、契約者もそれを狙って安易に保険金の設定を低くしてしまうケースです。

しかしこれは部分保険といって、10万円の商品に対して10万円分の保険料を支払うべきところを、半分の5万円分の保険料しか払っていないことになります。もし、3万円の損害がでて、保険金を受け取ろうとしても、本来払うべき保険料の半分しか支払っていないので支払われる保険金は半分、1万5千円になってしまいます(これを比例てん補といいます)

このように、商品と同様に建物も、その建物が持っている価値以上、以下の火災保険金を設定することは好ましくないということになります。

建物は「モノ」であり、時の経過と共にその価値も失われていきます。中古住宅を購入した際に殆ど土地の値段だけだといったことは一度は耳にした経験があるのではないでしょうか。

火災保険の金額の設定も当然長期間にわたり徐々に下がっていくのが保険では当たり前です。

しかし、住宅ローン利用時に一括で長期間の保険料を支払ってしまう火災保険は、本来であれば、その価値の減少に伴い保険金額も右肩下がりになっていく、これに併せて保険金の設定も変えていかなければいけません。なぜでしょうか?

たとえば3000万円で建てた建物は20年もすれば半分の価値しかないと判断されます。

すると、もし全焼で火災保険が満額支払われると思っていても、その住宅には1500万円の価値しかないといいう
ことになり、期待通りの保険金を受け取ることが出来ないという事態が実際に起こります。

保険金は1500万円となり、契約者にとってはとても理不尽に感じる事態を迎えることになります。