養育費を支払わないと制裁金!
前述のとおり、養育費について、取り決めをしているのは、母子世帯で37.7%、父子世帯で17.5%。一方、現在も支払われているのは、母子世帯・父子世帯とも2割弱。父子世帯は取り決めがなくても母が養育費を支払っているのがわかりますが、母子世帯では取り決めがあっても半分ほどは支払われていません。すでに2005年4月より、養育費を取り決めたとおりに支払わないと、裁判所が制裁金を課すことができるようになっています。
具体的には次のような流れになっています。
養育費が滞ったり、支払われない……
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子どもの養育者は裁判所に申し立てをする
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裁判所は相手の経済力などから「制裁金」の金額を決める
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養育費が支払われないときは、裁判所によって、養育費とともに制裁金の支払命令が下りる
経済的に払えないわけではないのに支払わない人にとっては、この制裁金がプレッシャーになるはずでしたが、それでも支払える経済力がないと難しいようです。また、大前提として、養育費に関しての取り決めがあって、それをきちんと公正証書など文書で残していないと、法的措置をとることは厳しくなります。
公正証書には、制裁金についても記載しておくことを忘れずに!
給料の差し押さえ
養育費が支払われないことを裁判所に申し立てると、過去の滞納分を差し押さえることができます。差し押さえできるのは給与の1/2まで。しかも、裁判所に1回申し立てをするだけで、滞納分だけでなく、将来の分まで毎月の給与を差し押さえることができます。きちんと養育費の取り決めをしよう
離婚でもめている状態から早く解放されたいと、協議離婚の場合は、養育費の取り決めすら行わないケースもまだまだ多いのは前述のとおりです。できるだけうやむやにせず、きちんと養育費についての取り決めをしておく必要があります。しかも、それをできれば公正文書などで残しておくことが、ますます大事になっています。
ちなみに、養育費については、子供が社会人になるまではいつでも話し合うことができます。つまり実質的に時効はないのです。離婚当初に取り決めをしていなくても、相手さえOKなら改めて話し合うことも可能です。
参照:母子家庭の8割が苦しい
厚生労働省「平成15年度全国母子世帯等調査」