中学3年生や高校3年生のいるご家庭で、該当する場合にぜひとも利用したい「受験生チャレンジ支援貸付」について解説します。
<目次>
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利用しなきゃ損!「受験生チャレンジ支援貸付」
学びたい意思を大切に!
子供たちが高校や大学への進学を目指し、受験に挑戦することを支援する事業で、親の経済力で子供の教育機会に格差が生じるのを防ぐ狙いもあります。
中学・高校などで教育資金や奨学金のセミナーを行った際にお聞きした範囲では、都民であっても、進路指導の先生でもご存じない方が多かったです。所得などに上限はあるものの、該当するご家庭なら利用したい制度です。
塾代や受験料の捻出が経済的に難しい一定所得以下の親御さんだけでなく、自力受験を考えている学生自身にも情報を届けてほしいものです。
対象となる学年など
制度を利用できる学年は次の通りです。中途退学者の再チャレンジでも利用できます。・中学3年生
・高校3年生
・高校・大学等中途退学者
・高等学校卒業程度認定試験合格者
・定時制高校4年生
・浪人生等
ただし、年齢は20歳未満です。
貸付資金の内容は?
無利子で貸付を受けられる資金は、高校・大学受験対策の学習塾等の費用と、高校・大学等の受験料です。<学習塾等受講料>
上限20万円(家庭教師は対象外)
<受験料>
中学3年生等:上限2万7400円(4回分まで。1回の上限は2万3000円)
高校3年生等:上限8万円
学習塾受講料+受験料で、中学3年生等なら最大22万7400円、高校3年生等なら28万円を無利子で借りられます。
中学3年生のときに貸付を受け、高校3年生で再度利用することは可能です。ただし、高3の時と浪人の時など、1人の子供に対して複数年度での利用はできません。
貸付対象になる条件は?
貸付の対象になるのは下記の通りです。要件はすべてクリアしなければなりません。また貸付には審査があります。□都内に1年以上在住(住民登録)している
□収入・所得が一定以下(世帯合計)
一般世帯:世帯人数3人の場合で年収334.3万円以下、所得216万円以下
ひとり親世帯:世帯人数2人の場合で年収301.8万円以下、所得193.3万円以下
*詳細はご確認ください
□預貯金等資産保有額が600万円以下
□土地・建物を所有していない(自宅や所得を得ていない不動産は除く)
□生活保護受給世帯でない
□他の公的資金の返済を滞納していない
□他の公的資金の連帯保証人になり、返済を滞納していない
□中学3年生・高校3年生またはこれに準じる学生(20歳未満)を養育している
もしも不合格だったら・・・
合格すると返済が免除される貸付ですが、もし制度を利用したにも関わらず、残念なことに不合格だった場合は、最長5年間で返済します。貸付を行った年度末の翌日から6カ月は据え置きとなり、そのあとから返済が始まります。大学受験で仮に24万円借りた場合、5年(60回)返済なら、毎月4000円ずつの返済(口座引落し)となります。
連帯保証人も必要
前出の利用できる要件には入れてませんでしたが、この貸付を利用するには、一定以上の収入のある連帯保証人(同一世帯不可)が必要です。連帯保証人を立てるのが困難な場合は連帯借受人(=連帯債務者)でも可能。この保証人を立てられるかどうかも、利用のポイントとなりそうです。
貸付が返済免除になった時の税金は?
幸いにも合格をして、貸付金が返済免除になった場合、それは親にとっての所得と見ることができます。課税などはされるのでしょうか。所得の種類としては「一時所得」となり、ほかの一時所得(保険の満期金や競馬・競輪などの懸賞金など)と合わせて50万円を引いた残りの半分が所得として合算され課税対象になります。ほかに一時所得がなければ非課税で済みます。
問い合わせ先は?
住んでいる区市町村の窓口や社会福祉協議会等へ問い合わせてください。【関連コラム】
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