■証券化ローンがこれからの住宅ローンの主流になる!
国土交通省は2004年4月から、住宅金融公庫が民間の住宅ローン債権を買い取って証券化をする、「証券化ローン」の融資条件を大幅に緩和することになりました。具体的な内容として、戸建ての土地面積「100平方メートル以上」の条件を撤廃、またマンションの専有面積「50平方メートル以上」条件を「30平方メートル以上」に大幅緩和するというものです。
そもそもこの証券化ローンは、昨年の10月から登場し、民間金融機関が長期の固定金利の住宅ローンを実現できるということで大きな期待を持って見られていたのですが、銀行など民間金融機関が貸し出すものといっても、その条件はほぼ住宅金融公庫の融資と同じもので、正直なところ、商品企画としては中途半端なものになっていました。
都銀ではUFJ、みずほなどが、昨年10月から取り扱いはじめていましたが、独自の固定金利選択型の住宅ローンの方が優位であり、あまり利用されていなかったというのが現状のようです。
しかしながら、今回の2004年度からの大幅な条件緩和によって、購入される住宅のほぼすべてに使われる可能性が高いため、1月下旬にりそな銀行、2月からは東京三菱、三井住友と続々と取り扱い金融機関が増えていくことになります。
次ページの表が「証券化ローンと現在の住宅金融公庫融資の比較」ですが、公庫融資は2段階金利を採用しているため、仮に20年以上借りたとすれば、平均金利に換算すると確実に3%を超えることになります。現在でも、最長35年借りたとしても、金利が2%後半となる証券化ローンはありますが、4月からは、公庫が民間から受け取る債権の証券化に伴う手数料を、現在の年0.9%から0.8%に引き下げる予定にもなっているため、確実に公庫金利よりも有利な金利設定が可能になると言えます。
この制度は、現在の予算案に盛り込まれており、国会のスケジュールにもよりますが1月~2月の衆院、参院審議を通過すれば、より詳しい内容が発表される予定ですので、これから住宅ローンを組もうと考えている方はぜひ注目しておきましょう。