住宅ローンの借り換え・返済/住宅ローンの繰り上げ返済まるわかり

繰り上げ返済は変動金利型を優先すると安心

「フラット35と変動金利型」など複数の金利タイプを組み合わせて借入れしている人も増えています。また、ボーナス返済を併用している人も多くいるでしょう。複数の住宅ローンがあるとき、繰上返済は、どの住宅ローンから行っていくのがよいのでしょうか?

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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繰上返済の大原則は「高い」「長い」「多い」

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大切な預貯金を取り崩して行う繰上返済。できるだけ自分に役立つよう使いたいもの。

まず最初に、どのように繰上返済するのが効果的なのか、原則を知っておきましょう。繰上返済の効果は、元金を減らすことによって、支払う利息額を少なくすることです。ですから、一つ目は、「時期は早いほど効果がある」です。

期間が長いとそれだけ支払う利息額も多くなってしまうので、早い時期に元金を減らす方が効果が大きくなります。同様の理由から、「返済期間が長いものほど効果がある」ことになります。「金利が高いものほど効果がある」のもよく知られていることです。

【参考記事】繰り上げ返済できちんと得をするには

では、残高が少なくて金利が高いものと、残高が多くて金利が低いものの場合には、どちらに繰上返済した方が効果的でしょうか?

●借入金額1,000万円、30年返済、金利3%の住宅ローン
12回目返済時に100万円の繰上返済(期間短縮型)をする。この時点での残高約980万円⇒節約利息は、約119万円
●借入金額2,000万円、30年返済、金利1%の住宅ローン
12回目返済時に100万円の繰上返済(期間短縮型)をする。この時点での残高約1,940万円⇒節約利息は、約29万円

残高にはほとんど関係なく、やはり金利が高いものから返済した方が効果が大きいことがわかります。

残高が少ないものは早く完済することを目指すのも効果的

例えば、全期間固定3,000万円・金利3%のものと、変動金利型500万円・金利1.075%のものを組み合わせて借入れしているとしましょう。ボーナス払いなし、30年返済だと、毎月返済額は、全期間固定部分が約12.6万円、変動金利型の部分が約1.6万円で、合計約14.2万円となります。この場合には、繰上返済するのなら、上記の大原則からも金利が高いものから返済していく方が支払い利息は少なくてすみます(金利は上昇しなかったと仮定)。

ただし、もし、数回の繰上返済などで、変動金利型の部分を早めに完済できるとすると、毎月返済額は、全期間固定部分の約12.6万円のみになります。実際には、この方法の方が、その後の気持ちが楽になるという人も多いようです。

同様に、ボーナス返済を併用している場合には、ボーナス返済分を先に繰上返済し、早めに完済できるとボーナス時に余裕ができ、旅行ができる、リフォームができるなど、楽しみも増えるようです。貯蓄もしやすくなるでしょう。

厳密な計算では非効率であっても、心理的な部分でのプラスは数字を上回る場合もあるので、どんな方法が自分にとって心地が良いのか、という視点から考えてみることも大切です。
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