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頭金はなぜ重要なの?

頭金は2割を目標に、と言われたりする一方で、民間住宅ローンは10割借入れもでき、自己資金がなくとも住宅購入は可能です。では、頭金はなくても良いのでしょうか?頭金はどのような点で重要なのでしょうか?

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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頭金2割の根拠は以前の話

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今や、頭金がなくても住宅購入は可能に。それでも頭金はなぜ用意した方がいいのでしょうか?
頭金をどのくらい準備したら住宅が購入できるか、さまざまな目安があります。マネー誌などでも、「頭金は2割を目安に」というような言葉を目にすることも多いですね。頭金2割は必要、というのは、以前は定説のようになっていました。これは、住宅ローンの中心が住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)だった時代のことです。住宅金融公庫のローンは、住宅購入価額の8割までという上限がありました。このため、2割は必ず準備しないと、購入ができなかったという理由が大きいでしょう。

しかし、現在は、フラット35は購入価額の90%まで、民間住宅ローンでは購入価額の100%を借入れすることも可能です。つまり、頭金はなくとも実質購入は可能です。諸費用さえも融資対象となっているローンもありますので、自己資金ゼロでも不可能ではありません。

そもそも、頭金が何割かは、さほど問題ではないと考えています。それよりも、借入額がいくらなのか、その返済に無理はないのか、が重要なのです。適切な借入れ金額に、用意した頭金分を加えて購入できる金額が決定する、という考え方の方が自然でしょう。

それでも、頭金はやはり重要です。頭金が十分あることのメリット、頭金がないことのリスクはどのようなことなのでしょうか?

頭金が多ければ、金利も優遇される時代に

もともと、審査では、頭金があるかどうかも多少なりとも関係していると思われます。しかし、最近では、それが目に見える形で影響が出てくるようになりました。

住宅ローン金利ランキング(2008年8月)の「今月の住宅ローン情報」の中でも紹介しましたが、頭金が多いと金利が引き下げられるという住宅ローンも登場してきました。住友信託銀行では、固定金利選択型のうち特約期間20年と30年で、頭金が1割以上または2割以上の場合、通常の金利より0.15~0.25%低い金利で借入れが可能です。

また、住宅ローンの諸費用のうち、多くを占める保証料も、三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行では、頭金が2割あれば実質無料になります。表には出ていなくても、実際には同様の取扱いをしてくれる金融機関が他にもあるようです。

同じ金額を借入れするにしても、頭金が多ければ、金利が低くなることによって、もしくは保証料分の支払いがなくなることによって、頭金が少ない人よりも総支払額が少なくてすむのです。大きな流れとしては、金利は上昇傾向と思われる今後、いかにして総支払額を少なくするか、は大きな課題です。その対策の一つが、頭金を十分用意するということになるのです。

頭金が多い方が、将来のリスクヘッジにもなります。その理由は次のページで。
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