ローン控除は定率減税前の所得税額から差し引く
1999年から現在の定率減税は導入されましたが、簡単に言うと、所得税額の20%(最高25万円)、住民税額の15%(最高4万円)が減税されるというものです(当初、恒久的な措置として導入されたはずでしたが、2006年には半分に減らされる予定です)。この定率減税と住宅ローン控除との関係ですが、税額の計算においてまず最初に加味されるのが住宅ローン控除で、それから定率減税が計算されるようになっています。
つまり、定率減税前の本来の所得税額から住宅ローン控除を差し引いて、残った金額で定率減税を計算するということです。
実質的な控除率は1%ではなく0.8%
定率減税はローン控除の後で計算します |
2400万円×1%=24万円
ということで、24万円の住宅ローン控除が受けられ、支払った所得税24万円の全額が戻ってくるような感じがしますが、実は違います。
そもそも、給与から差し引かれている所得税24万円というのは、20%の定率減税が加味された金額になっています。定率減税前の本来の所得税額は、このケースの場合、30万円(=24万円÷0.8)です。住宅ローン控除はこの本来の所得税額から差し引き、それから定率減税が加味されるので、
30万円?24万円=6万円 … 住宅ローン控除後かつ定率減税前の所得税額
6万円×0.8=4.8万円 … 定率減税後の実際の所得税額
となります。
したがって、給与から差し引かれている24万円のうち、戻ってくるのは4.8万円を超えている部分なので、19.2万円(=24万円?4.8万円)が還付されることになります。
この19.2万円というのは、ローン残高の1%である24万円から2割引いた金額です。控除率でいえば、0.8%。定率減税によって住宅ローン控除までもが減ってしまっている状態です。
もちろん、定率減税も住宅ローン減税も、ないよりはあったほうがいい制度です。ただ、両方とも縮小の方向で進んでいることもありますので、内容をよく知った上で、あまり期待しすぎずに見守っていきましょう。
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