マーケティング/マーケティング事例

自転車専門店を大規模展開するイオンの「なぜ?」(3ページ目)

総合スーパーのイオンは8月26日自転車専門店を3年で200店舗まで拡大することを発表しました。業界全体が苦戦する中、今なぜ自転車専門店を大規模展開するのでしょうか?その背景を推測します。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

事業の壁を破るためにアドバンテージ・マトリクスを活用しよう

メニューを標準化すれば分散型事業でも大規模展開できる。

メニューを標準化すれば分散型事業でも大規模展開できる。

このような事業を4つのタイプに分類するアドバンテージ・マトリクスを活用すれば、企業が壁に突き当たった時の次の方向性が見えてきます。

一般的に事業は分散型から規模型へ、そして特化型、手詰まり型へと推移していきます。このビジネスの進化のプロセスを活用すれば、たとえば分散型事業で規模を大きくできないという悩みを抱える街で評判のレストランは、料理を標準化してレシピを作成することにより、大規模にチェーン展開することで規模型事業に移行し、より高い収益を実現することもできるでしょう。

ファミリーレストランという規模型事業で市場が飽和し、売上が上がりにくい環境となった場合は、お寿司や焼き肉など特定のメニューに特化した特化型事業に参入することによって、規模に関わらず高い収益を実現することが可能になります。

このようにアドバンテージ・マトリクスというツールを活用すれば、売上が伸び悩んだ際の次の突破口へのヒントを得ることができます。

総合スーパーもかつての隆盛から一転して、厳しい環境へと突入したことを考えると、規模の利益を追求する規模型事業からの転換点に差し掛かっているのかもしれません。そこで、イオンはこの苦境を脱するために自転車専門店という特化型事業に参入し、業績を再び成長軌道に乗せようという戦略は正にアドバンテージ・マトリクスの考えにのっとったものであり、今後は教科書通りのイオンの戦略が成功を収めるかどうかは注目に値すると言えるでしょう。

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