メンタルヘルス/(読み物) 有名人と心の病気

12モンキーズ 映画の中の心の病気VOL.1(2ページ目)

映画12モンキーズの登場人物、未来から送られてきたジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)、ノーベル賞ウイルス学者の息子、ジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)の精神症状に迫ります。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

ブラッド・ピットはどうして精神病院に?

ブラッド・ピットの演技には凄みがありました。その話し方は早口で、話の内容は了解可能ではありますが、まとまりに欠けています。しかも、話しているうちに、次第に、話すスピードは速くなり、話の内容も次から次へと変わっていきます。また、注意も移りやすく、他の患者が彼のいすに座ろうとしたら、話の最中にも関わらず、「俺のいすからどけ!」と突然、叫びます。また、興奮がすすむと大声を上げながら病室のベットをぴょんぴょんと飛び移っていきます。幻覚、妄想ははっきりしません。彼は精神運動興奮が強い躁状態のようです。


ウイルスをばら撒いた犯人は心の病気?

実は、秘密結社12モンキーズはウイルスには無関係でした。真犯人はウイルス学者である父親の助手です。世界を破滅に導くようなウイルスをばら撒くのですから、精神的に問題があるのは間違いないでしょう。しかし、一見すると、いわゆる研究者風のかんじで礼儀正しく穏やかな様子の人です。ウイルスを撒く動機は彼の妄想によるのかもしれません。しかし、彼の心の問題が何かを言えるほど映画の中で情報はなかったと思います。


結局、ジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は世界を破滅から救うことはできませんでした。彼は任務を遂行していくうちに、幻聴が現れるようになりました。過去と未来を行き来しているうちに、現実と非現実の境界がぼやけてしまったようです。また、映画の全編を通じて、幼い頃の体験『目の前で人が射殺される』が繰り返し夢に現れます。これはフラッシュバックと呼ばれる現象です。ラストシーンで彼はそのトラウマの謎を知るのでした。


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