ストレス

家族の「ギャンブル依存症」にどう対処する?

ギャンブル依存症の夫をサポートし、家族としてこの病気と立ち向かっている女性へのインタビュー。当事者を前に家族はどう行動し、何に気をつければいいのでしょうか?

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

何かにはまり、自分ではコントロールできなくなってしまうことを「依存症」と言います。もし、大切な人が依存症になったら、あなたならどうしますか? 今回は、「ギャンブル依存症」の夫をサポートし、家族としてこの病気と立ち向かっている女性(お銀さん:仮名)にインタビューしてみました。

 インタビューした方のホームページ 「join in the laughter~一緒に笑おうよ~」


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家族のギャンブル依存に気づいたとき、どう対処しますか?

――ご主人がギャンブル依存症だと分かったきっかけは?

以前から、「借金がある」と2回聞いていたのですが、3回目に打ち明けてきたとき、同時に「自分は病気だ」と言われたのです。彼の状態を聞いて調べるうちに、パチンコの「ギャンブル依存症」だと気づきました。

――告白されるまでは、気づかなかったんですね?

いま振り返れば、彼には意味もなくイライラしたり、携帯に電話しても全然つながらない時期がありましたが、まったく気づきませんでした。平日は勤務時間中にパチンコ店に通い、休日は「仕事がある」と嘘をついて通っていたのだそうです。「病気」と打ち明けたときに初めて、パチンコにはまった経緯、借金のこと、「強盗しようか」と夜中に町をさまよったこと、「死のう」と思ったことなども話してくれました。

――ご主人は、3回目の告白で、病気と向き合おうと思ったのですね。

そのとき、初めて「きちんと治したい」と思ったのだと思います。専門的に治療できる精神科を探しましたが、借金の返済で家計が苦しかったため、「無料」に惹かれて、3ヶ月間「GA」(ギャンブラーズ・アノニマス:ギャンブル依存症者のための自助グループ)に通うことにしました。現在は通っていませんが、回復のきっかけになりました。

――ギャンブルに依存したのは、ご主人の気質によるところが大きいと思われますか?

夫も自分で認めているのですが、以前から飽きっぽい、努力が嫌い、「棚からぼたもち」が落ちてくるのを待っている、面倒なことは嫌い、周りの意見に流されやすく、そのせいでストレスがたまりやすい、趣味がない、などの特徴はありました。しかし、最も大きいのは家庭環境による影響ではないかと思います。

■ギャンブラーズ・アノニマスとは?
ギャンブル依存からの回復をめざす自助グループのこと。全国のギャンブラーズ・アノニマスは「GA日本インフォメーションセンター」で検索できる。宗教、宗派、政党、特定組織・団体に縛られず、メンバーの献金だけで運営している。全国組織で会費は無料。依存症者の家族や友人のための自助グループ「ギャマノン」(GAM-ANON)もある。

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