営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

【連載】説得と交渉の営業心理学 第7回 人を服従させる権威の力(4ページ目)

「知的財産が専門のジェイコブズ弁護士によると…」このような前置きがされると、私たちは簡単に説得されてしまう。私たちは、医者や教授などの「専門家」と呼ばれる人々に弱いのである。

執筆者:鹿俣 之信

その専門家は信頼できる?

私たちが他人の権威を判断するときは、何を手がかりにしているのだろうか。

その人が権威であるかどうかは、顔を見ただけでは分からない。ほとんどの場合、私たちは肩書きや服装(白衣や制服)などの「権威を象徴するシンボル」を頼りに判断している。つまり、たとえ権威のない人であっても、肩書きを偽ったり服装を真似たりすることで、権威があるふりをして、周囲の人を騙すことが可能なのだ。たいていは誰もそれがウソだとは思わない。

私たちは、権威そのものではなく、権威のシンボルだけでも反応して影響されてしまう。詐欺師たちはそのことをよく理解している。権威のない彼らは、権威を示す肩書きや服装を利用することで、偽りの権威に自分を包むのである。もちろん、私たちは偽りの権威を利用して顧客を騙すようなことをしてはならない。

悪意ある偽の専門家の餌食にならないためには、専門家の意見を受け入れる前に一つだけ自問してみるといい。「この専門家は誠実なのだろうか?」誠実な専門家はこの上なく頼りになるが、悪意ある専門家は非常にタチが悪い。くれぐれもご注意を。

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【連載】説得と交渉の営業心理学
第1回 二度目は断れない
第2回 拒否させて譲歩する
第3回 一面呈示と両面呈示
第4回 結論を言わない暗示的説得
第5回 手に入りにくいほど欲しくなる
第6回 他人の真似をする社会的証明
第7回 人を服従させる権威の力

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