営業のノウハウ/営業の基礎知識

営業職研究シリーズ いろいろなタイプの営業職

営業職にもいろいろな種類があるのが分かる。提案営業、企画営業、コンサルティング営業、ルートセールス、反響営業。ここでは、営業職を6つのファクターで分類し、それぞれの特徴を見ていくことにしよう。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

● いろいろな営業職

求人情報誌を見ると、営業職にもいろいろな種類があるのが分かる。提案営業、企画営業、コンサルティング営業、ルートセールス、反響営業。呼び名はいろいろとあるが定義は極めて曖昧だ。ここでは、営業職を6つのファクターで分類し、それぞれの特徴を見ていくことにしよう。

● 専門系営業 VS 総合系営業

営業職は、カバーする仕事の範囲によって分類できる。セールスに専念する「専門系営業(狭義の営業)」と、セールスの他にマーケティングも行う「総合系営業(広義の営業)」だ。

専門系営業は、「見込客に商品を売る」のが主な仕事である。見込客とアポイントを取り、客先を訪問し、ニーズの調査・ニーズの喚起・問題解決策の提案・商品購入の説得を行い、契約を成立させる。提案書作成・プレゼンテーション資料作成・契約書作成なども仕事に含まれる。客先を訪問せずに電話やメールで商談を行う場合もある。

見込客を探すのはマーケティング部門の仕事になる。営業部門以外にマーケティング部門がある会社では、「営業=専門系営業」である場合が多い。

総合系営業は、見込客に商品を売ることに加えて、「見込客を探す」ことも仕事である。ダイレクトメールや飛び込み訪問で新規の見込客を探したり、リピート購入やアップセル・クロスセルを促すために既存客に電話したりする。新聞や雑誌に広告を出したり、チラシを撒いたりすることも仕事に含まれる場合がある。

マーケティング部門やサポート部門が無い会社では、「営業=総合系営業」である場合が多い。

● 法人顧客 VS 個人顧客

営業職は、対象とする顧客が法人か個人かで分類できる。

法人顧客は、顧客の組織的な問題の解決が購買動機になる。商品選定や購買決定に複数の担当者が関わる場合が多い。そのため、コンセンサスを得るために時間と手間がかかる。また、決定権を持つ担当者や、商品選定に強い影響力を持つ担当者を特定し、説得する必要がある。

個人顧客は、顧客の個人的な問題の解決が購買動機になる。商品選定や購買決定は顧客本人が単独で行う場合が多い。第三者が商品選定に関わる場合もあるが人数は少ない。顧客本人が決定権を持つため、法人顧客と比べて成約までに時間はかからない。

● 新規顧客 VS 既存顧客

営業職は、新規顧客の開拓を中心に行うか、既存顧客の維持拡大を中心に行うかによって分類できる。

新規顧客を開拓する営業は、新しく顧客になる可能性のある見込客(新規見込客)にアプローチし、関係を構築し、取引を開始する。既存顧客は、関係維持の努力をしても少しずつ減っていくため、新規開拓ができない企業の発展はありえない。新規開拓営業は、契約を断られることも多いため、精神的な強さを要求される。反面、新規顧客との成約は、新規顧客獲得と成約との二重の喜びがある。

既存顧客を維持拡大する営業は、担当の顧客を持ち、顧客との関係を維持し、取引を継続する。また、顧客ロイヤルティを高め、クロスセルやアップセルにより自社の顧客内シェアを拡大する。既存顧客は、関係維持の努力を怠ると、どんどん離れていってしまうため、それを食い止め、取引を拡大するのだ。

◎ 次のページでは、「仕様品 VS 汎用品」「高額商品 VS 低額商品」「単独営業 VS チーム営業」の特徴を見ていくことにしよう。
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営業職研究シリーズ
●第1回 営業職ってどんな仕事?
●第2回 いろいろなタイプの営業職
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