医療費控除の必要書類と書き方をチェック!

所定の医療費の支出が多いと、医療費控除の確定申告をすることで還付金がもらえる、つまり払い過ぎた税金が戻ってきます。

サラリーマンやパート・アルバイトといった給与所得者が医療費控除を受けるには、「医療費の明細書」と「申告書A様式」、さらに勤務先で配布される「源泉徴収票」が必要となります。

今回はこの医療費の明細書と申告書A様式の書き方について、国税庁が実際にパンフレットで紹介している記入例を使って解説します。

▼書式のダウンロードはこちらから(いずれもリンク先は国税庁ウェブサイト、PDFファイル)
医療費の明細書 申告書A様式

▼事例

・年収 680万円
・所得 492万円
・支払った所得税 14万9400円
・医療費控除以外の所得控除については、年末調整において適切に処理されているものとする
平成27年分源泉徴収票の見本。今回の確定申告にマイナンバーは直接関係ない(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

平成27年分源泉徴収票の見本。今回の確定申告にマイナンバーは直接関係ない(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)


医療費の明細書は、記入前に領収書をまとめておこう

平成27年分 医療費の明細書の見本(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

平成27年分 医療費の明細書の見本(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

納税者が医療費を支払った場合、医療費控除は、本人のものだけではなく、同一生計の家族(配偶者や子ども、その他親族)のものまでまとめて申告することができます。

この時、医療費の明細書には、領収書1枚ごとに個別に転記する必要はなく、まとめて転記することもできます。医療費の明細書へ記入する前にしておくべき手順は、次の通りです。

・医療を受けた人ごとに、かかった病院別、薬局別に領収書をひとまとめにする
・まとめた領収書をホチキスやクリップなどでばらけないようにまとめておく
・まとめた領収書の単位で医療費の集計を出しておく
・平成27年分の源泉徴収票も手元に用意しておく

このように領収書をとりまとめてから医療費の明細書に記入すれば、一つひとつ領収書を見ながら記入するよりも手際よく済ませられるでしょう。

今回の事例によると、国税太郎さんの妻である春子さんが45万円、子である一郎さんが10万円、計55万円の医療費がかかっています。また、25万円の保険金を受け取ったことがわかります。
平成27年分 医療費の明細書の見本(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

平成27年分 医療費の明細書の見本(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)


医療費の明細書の控除額はこう計算する

医療費の明細書には、控除額を計算する欄があります。下記の通りA~F欄を記入し、控除額を算出しましょう。
平成27年分 医療費の明細書の下部にある控除額の計算欄はこう書く(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

平成27年分の医療費の明細書、控除額の計算欄はこう書く(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

【A欄】
支払った医療費の合計額。今回の事例だと55万円です。

【B欄】
高額療養費制度や民間保険会社からの入院給付金など保険金などで補てんされる金額。今回の事例では25万円です。

【C欄】
A欄-B欄の金額。保険金などで補てんされる金額がなければ、A欄とC欄には同じ金額が入ります。

【D欄】
所得金額の合計額。給与所得者の場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」欄に書いてある金額です。今回の事例だと492万円です。

【E欄】
D欄の5%の金額。今回の事例だと492万円×0.05=24万6000円です。

【F欄】
E欄と10万円のいずれか少ない金額。今回の事例だと24万6000円>10万円なので、10万円と記入します。

※年収311万6000円未満の給与所得者だと、E欄の金額が10万円より低くなります。つまり、医療費が年間10万円以下でも医療費控除が受けられることがあります。

【G欄】
C欄-F欄(医療費控除額)。つまり、F欄以上の正味支出医療費があると、医療費控除を受けることができ、その控除額はG欄の額となるのです。

医療費控除、申告書A様式の書き方

医療費の明細書で控除額が算出できたら、次は申告書A様式にその控除額を書き入れます。左下、「所得から差し引かれる金額」の医療費控除の欄です。
医療費控除を受ける場合の申告書A様式の記載例(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

医療費控除を受ける場合の申告書A様式の記入例。平成27年分の申告書にマイナンバーを書く必要はない(画像は国税庁「医療費控除を受けられる方へ」より)

今回の事例では、医療費控除以外の所得控除については年末調整で適切に処理されているとのこと。源泉徴収票に記載されている所得控除の合計額に、医療費控除額が上積みされます。

したがって、所得控除の合計は、「248万20円+20万円=268万20円」となります。

必要経費が20万円上積みされたのと同様の効果が得られ、その分だけ節税となるのです。

※申告書A様式の詳しい書き方・記入例はこちら

復興特別所得税も考慮して正しい税額を計算

所得控除額が計算できたら、次は税額計算です。

このケースで課税される所得の金額は、「492万円-268万20円=223万9000円」となります(この段階で1000円未満端数切り捨て)。

この場合、超過累進税率の速算表にあてはめると、税額は「223万9000円×10%-9万7500円=12万6400円」と算定されます。

ただし平成25年分所得税より、東日本大震災の財源確保のための復興特別所得税が適用されています。増税分として本来の税額の2.1%が加わるため、 「12万6400円×2.1%=2654円」を加えた12万9054円が正しい税額となります。

医療費控除の申告でもらえる還付金はいくら?

最後に、今回どれだけの所得税が戻ってくるかを計算しましょう。年末調整が終わった段階では、源泉徴収票に記載の通り、14万9400円の税額が差し引かれています。したがって、その差額である「14万9400円-12万9054円=2万346円」の所得税が戻ってきます。

医療費控除を考慮した正しい税額を計算し、源泉徴収票などに記載された、すでに差し引かれた税額と対比させる。これが医療費控除の申告書のポイントになるでしょう。

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