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ブランド構築のカギ(1) 全ては1枚のカードから(前編)

「クレドカード」はザ・リッツカールトン・ホテルの従業員が常に携帯しているカードです。このクレドカード。実はザ・リッツカールトン・ホテルのブランド価値を維持・拡張する重要な役割を担っています。

執筆者:桑畑 穣太郎


クレドカードとは何か?

ザ・リッツ・カールトン・ホテルは「もう1つのわが家」をコンセプトに世界中でラグジュアリ(豪華な)ホテルを展開する高い顧客満足度を誇るホテルチェーンです。

「従業員がザ・リッツ・カールトン・ホテルの価値観を100%実践すること」

世界中の約23,000人の従業員は、そのことを最も重視しています。
クレドカードは、その価値観を1つにまとめたものです。

クレドカードは、

1.クレド(信条)
2.モットー(従業員は何者か?)
3.従業員への約束
4.サービスの3ステップ
5.リッツ・カールトン・ベーシック(20項目)


という構成になっています。名刺サイズに折りたためるカードなので、従業員は常にこれを携帯しています。

まず、クレド(信条)では、「もっとも大切な使命はお客様に”気分がいい”と感じていただく心のこもったおもてなしの提供である」を掲げています。

お客様に気分がいいと感じていただくことが私たちの仕事で、それ以上の仕事はない。という独自のサービス哲学を持っています。

モットーは、紳士・淑女であるお客様をおもてなしする我々もまた紳士・淑女である。となっています。

ここが召使(サーバント)との違いであり、従業員の誇りの源泉となっています。

従業員の約束では、紳士・淑女たる従業員こそがもっとも大切な資源であると表明し、サービスの3ステップでは「心からのあいさつ」「お客様のニーズの先読み」「感じの良いお見送り」というお客様との出会いからお見送りまでの基本的なステップを表明しています。

そして最後にザ・リッツカールトン・ベーシックでは、クレドを実践するための日々の取組みに関する基本事項が記されています。

ではこのクレドカード、どのように運用されているのでしょうか?
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