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口コミでおすすめの文芸映画(邦画)(4ページ目)
「Good Answers」にご投稿いただいた、“口コミでおすすめの文芸映画(邦画)”をオールアバウトがセレクト。
記事一覧
真の優しさに触れる作品「名もなく貧しく美しく」
投稿記事謙虚さ、人の良さがにじみ出てくる、松山善三の初監督作品「名もなく貧しく美しく」は、終戦後の混乱期、聾唖者、片山秋子とその家族の物語で、実話がもととなっています。主人公、片山秋子に高峰秀子、夫の道夫役に小林桂樹。夫の道夫も聾唖者ということで、夫婦の会話は手話です。のちに高峰秀子は自身のエッセイで、この...続きを読む
女性映画の決定版「妻として女として」
投稿記事愛人と正妻、ふたりの女性像が対等に描かれた作品戦後十数年、時代は高度成長の最中、女性の社会進出も自然なものとなり、女性の生き方そのものに焦点を当てた映画も多く出るようになりました。なかでも成瀬巳喜男監督の「妻として女として」は女性映画の決定版といわれています。幸せな家族と、愛人。現代でもよくあるドラ...続きを読む
困難に立ち向かう女性の生きざまを描く「放浪記」
投稿記事主演、高峰秀子の真の役者魂を感じられる映画「私は宿命的な放浪者である」の出だしで始まる、林芙美子の「放浪記」。大正から昭和初期、貧しさに苦しみながらも困難に立ち向かうひとりの女性の生きざまが描かれているこの放浪記は、林芙美子の自叙伝的作品です。森光子扮する芙美子がでんぐり返しをする舞台はあまりにも有...続きを読む
軽薄な色男を市川雷蔵が完璧に演じる「好色一代男」
投稿記事井原西鶴の処女作が原作、色男の結末とは色男、世之介は、さんざん女性と関係をもったあげく、死の間際にあった父親にさる言葉でとどめをさし、手に入った遺産をまた女遊びにつぎ込む。役所から目をつけられ、居場所がなくなると、「好色丸」なる船に乗り、どこにあるとも知れない「女護が島」を目指して日本を出る、という...続きを読む
谷崎潤一郎の言わずと知れた小説、「卍」の映画化作品
投稿記事対照的な増村監督と谷崎潤一郎の相乗効果で、独特の世界観な作品に谷崎潤一郎の言わずと知れた小説、『卍』の映画化作品。原作も読みましたが、本作を観て、なるほどこれか、と原作に抱いていたイメージの輪郭が鮮明になりました。一口で言えば、レズビアンが主題です。さらに錯綜しているのは、そこに岸田今日子演じる柿内...続きを読む
高評価を受けた青春映画の金字塔「若者たち」
投稿記事人が生きるためには何が必要か?ディスカッションドラマの金字塔1966年、フジテレビで放送され高く評価された同名テレビドラマの映画版。ブローサイド・フォーによる主題歌は今でも有名で、学校の合唱コンクールでもよく歌われています。早くに両親を亡くし弟妹たちの親代わりで、設計技師として働く長男・太郎を田中邦...続きを読む
国家の思惑が絡んだ冤罪事件を映画化「松川事件」
投稿記事真実を虐殺する拷問と暗黒裁判米国占領下にあった日本で実際に起こった、下山事件、三鷹事件と並んで「国鉄三大ミステリー事件」のひとつと言われている「松川事件」を映画化した社会派作品。1949年8月に起こった列車転覆事件の取り調べで別件逮捕され、数々の拷問や脅迫を受ける青年A。耐えきれなくなった彼は、警察...続きを読む
大学病院の渦巻く欲望を映像化「白い巨塔」
投稿記事野望のメスが誤診という殺人を犯す原作はノンフィクションとフィクションを融合した社会派小説で知られる山崎豊子。本作をはじめ、『華麗なる一族』『不毛地帯』と山崎作品を3作撮った山本薩夫が監督。貧しく育ち、苦学して大学医学部の助教授になった野心家・財前五郎は教授の椅子を巡り、火花を散らす派閥争いを行ってい...続きを読む
豊田四郎監督が映画化した芥川龍之介の名作「地獄変」
投稿記事権力と芸術を狂おしいほどに描いた絢爛絵巻芥川龍之介の名作『地獄変』を、『夫婦善哉』『雪国』などで知られる文芸映画の巨匠・豊田四郎が監督。1年の準備期間を費やした本作は素晴らしい美術と、海外セールスを意識して使用したパナビジョンの画面比率を最大限に活かした構図が非常に素晴らしいです。舞台は平安時代、権...続きを読む
人間の業や宿命を描いた文芸大作「飢餓海峡」
投稿記事生きる重さをフィルムに焼き付けた大作水上勉の同名推理小説で、何度も映画化・テレビドラマ化された『飢餓海峡』の映画化第1回目。現代社会の弱者を取り巻く問題を鋭く描いた作品から骨太な娯楽時代劇まで、多くの名作を撮った内田吐夢が監督しました。終戦直後の混乱期に起こった沈没船事故。しかし、遺体の数が乗船名簿...続きを読む