映画/口コミでおすすめの恋愛映画(邦画)

女の愛を受け止められない男が妻を……

女の愛を受け止めることのできない男を役所広司が演じました。趣味の夜釣が原因で夫婦仲にひびが入り、最後は主人公の山下が妻を殺害するに至ります。その時の妻の目がうなぎの丸い目に似ているような気がしてなりません。

投稿記事

役所広司の日本アカデミー大賞主演男優賞受賞作品 『うなぎ』

 

 

■作品名
『うなぎ』(1997)

■監督
今村昌平

■原作
吉村昭 『闇にひらめく』

■出演
役所広司(山下拓郎)、清水美砂(服部桂子)

■おすすめのポイント

役所広司は1997年に『失楽園』ではめり込んで行く男女関係を演じ、同年、『うなぎ』で女の愛を受け止めることのできない男を演じました。哀しいかな、男は女に左右されます。『失楽園』『うなぎ』も決して、元々男自らが描いた形には収まりませんでした。そして、二作により、日本アカデミー大賞主演男優賞を獲得しました。違う性格の役だからこそ、バランスを保てたのではないでしょうか。

夜釣が趣味で、それが原因で夫婦仲にひびが入り、最後は主人公の山下が妻、恵美子を殺害するに至ります。妻を信頼して裏切られた腹いせです。恵美子は謝りも乞わず、ねめつけられた山下は包丁で滅多突きにしてしまいます。その目にはこうなったのもあなたの夜釣りで床を空けるあなたの所為であると言いたげでした。その目がうなぎの丸い目に似ているような気がしてなりません。

一尾のうなぎを友として大切に育ててきた主人公の山下は、毎日、隣りの船大工高田に誘われ一緒にうなぎを獲りに川に出かけます。獲ったうなぎをどうするのか本編では訴求されていません。ただ、山下はまだ、恵美子を許していないことの表れではないでしょうか。

ただ、血みどろで、怨恨が渦巻く作品であっても、山下の保護司役の常田富士夫や佳子の心の病にある母役で市原悦子が登場すれば、これは日本昔話です。現代に舞台を置いた昔話です。だからこそ、第50回カンヌ国際映画祭でグランプリのパルム・ドールを受賞することになったファンタジーです。



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