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クレジット契約で支払いを拒める「抗弁権」

抗弁権(こうべんけん)という、ちょっと聞き慣れない言葉ですが、クレジットカードを利用している人なら知っておいて損はありません。商品などに問題があるときは、支払いを拒める権利です。

岩田 昭男

執筆者:岩田 昭男

クレジットカードガイド

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クレジットカードを利用している人なら知っておいて損はありません!

商品やサービスに問題があるとき、クレジット会社に対して代金の支払いを拒める権利を「支払停止の抗弁権」といいます。悪徳商法を紹介するテレビ番組や悪質な健康食品の業者に対する「クーリングオフ」の手続きはよく知られているのですが、クレジット契約についての「抗弁権」についてはあまり知られていません。そのために、本来なら支払う必要のないクレジット代金を払いつづけるというケースも実際に起こっています。

分割払いやリボ払いなどが条件!

支払停止を主張できるのは、割賦販売法の適用を受けるものに限られています。適用対象となるのは、契約を結ぶごとにそのつど契約書を交わす「個品割賦購入あっせん契約」やクレジットカードを利用する「総合割賦購入あっせん契約」(分割払い)、「リボルビング方式の割賦購入あっせん契約」(リボルビング払い)などです。
具体的には、次のような要件を満たしていれば、支払停止を主張できます。
1. 割賦販売法で指定する商品・権利の購入、またはサービスの提供であること
2. 2カ月以上の期間にわたり、かつ3回以上の分割払い契約であること
3. 支払総額が4万円以上(「リボルビング払い」の場合は現金販売価格が3万8000円以上)であること
4. 契約者にとって商行為にならないこと(いわゆる業務提供誘引販売取引やマルチ商法には適用)

商品に問題があるときなどに適用される!

それでは、どんな場合に、この権利が適用されるかというと、販売店に対して次のような抗弁事由があるときです。
1. 商品の引き渡しがなく販売会社が倒産してしまったような場合
2. 見本やカタログなどで示された商品と引き渡された商品が異なる場合
3. 商品に明らかな欠陥または隠れた瑕疵があった場合
4. 約束した期日に遅れて役に立たなかった場合
5. 錯誤による無効、詐欺による取り消しなどができる場合
6. クーリングオフなどにより契約解除できる場合
7. そもそも契約した覚えがない場合
 などがあげられます。

クレジット会社に支払いの停止を申し出る!

支払停止を主張する場合には、クレジット会社に対してトラブルの内容を伝え、支払いの停止を申し出る必要があります。決められたルールがあるわけではありませんが、抗弁事由を記載した書類を求められた場合には、提出するように努力しなければなりません。クレジット会社には「支払停止のお申し出の内容に関する書面」がありますので、送付してもらうといいでしょう。
割賦販売法でも「クレジット会社から書面の提出を求められたときには書面を提出するよう努めねばならない」と規定されています。クレジット会社から抗弁書面が送付されない場合には、クレジットの支払いを停止することとその理由を書いて内容証明郵便で送るのがよいでしょう。

契約解除の結論がでるまでは少々時間がかかる!

書面を送るとクレジット会社は、代金の請求を止め、抗弁の内容について調査を行います。消費者と販売店との交渉で結論がでるまでの間は、個人信用情報機関に延滞情報の登録も行われません。
契約解除などの結論がでると、販売店とクレジット会社の間でキャンセル処理が行われます。販売店が倒産した場合などは、請求放棄の手続きなどが行われます。
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