自動車保険における「事故」はどこからどこまで?
走行中の車に乗ることだけが「搭乗中」ではない
今回は、自動車保険で補償の対象とされている「搭乗中」の定義についてご案内します。
保険に加入している車の「搭乗中」のケガを補償
自動車保険の基本的な補償は以下の2つです。(1)他人にケガをさせた、他人の物を壊してしまった場合のための補償
(2)運転者または同乗者がケガをしてしまった場合のための補償
(2)については、主に「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」がありますが、いずれも原則として契約している自動車に搭乗中(※)の事故について、保険金が支払われることになっています。
(※)人身傷害保険については、契約の条件によって歩行中の事故なども補償の対象になります。
シートに座っていないとダメ?
ところで「搭乗中」というのは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか? ある保険会社の約款をみてみると、被保険者(つまり保険による補償を受けることができる人)について、と、定義されています。「……被保険自動車の正規の乗車装置または当該装置のある室内(隔壁等により通行できないように仕切られている場所を除きます。)に搭乗中……」
この記述を見る限り、ワンボックス車などでは、たとえ荷室に乗っていたとしても、隔壁が存在せずにウォークスルー構造になっている車であればOKということになりそうです。つまりシートに座っていなくても補償されると判断できます。
「搭乗中」とは、いつからいつまで?
それでは一体いつからいつまでが搭乗中になるのでしょうか?これについては一般的に「乗車のためにドアに手を掛けたときから、降車のために車外に両足が着くまで」とされています。ドアに指を挟んでしまったというケースでは、乗車後シートに座ってドアを閉めるときであれば「搭乗中」で、車外に出てドアを閉めるときであれば「搭乗中」ではないと言えそうです。また、降車の際、地面に足をついたときに、縁石の段差で足をひねった場合は「搭乗中」にあたるでしょう。こういった事故の場合、契約している保険会社によって判断が異なるという話をよく聞きます。
なお、「搭乗者傷害」も「人身傷害保険」もそれだけを使ったなら、翌年の等級に影響はありません(ノーカウント事故)。つまり翌年の保険料に関係ないわけですから、ご自分で判断してしまわず、まずは保険会社に相談しましょう。
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