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乗っていたタクシーが事故った!どうする?

残業明けの帰り道、タクシーの中でウトウトしていると「ドン!」という突然の強い衝撃とともに体中に激しい痛みが・・・

執筆者:松本 進午

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残業明けの帰り道、タクシーの中でウトウトしていると「ドン!」という突然の強い衝撃とともに体中に激しい痛みが・・・

今回は乗っていたタクシーが事故を起こして、ケガをしてしまった場合のお話です。(前回の記事はコチラ

単独事故なら話はシンプルです

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タクシーに乗っていて「ヒヤッ」としたことありませんか?
乗っていたタクシーが運悪く事故を起こして、ケガをしてしまった場合、考えられるパターンはいくつかあるのですが、事故がタクシーの単独事故であったならば、話は比較的シンプルです。

この場合、加害者はタクシーの運転者ということになりますので、タクシー会社が加入している自賠責保険や対人賠償保険による補償を受けることになります。

第三者が絡むとちょっと複雑です

続いて、事故がタクシーと第三者の車との事故であった場合について考えてみましょう。この場合、お互いに過失があれば民法上の「共同不法行為」ということになるのですが、どちらも加害者ということで、治療費をどちらにどれだけ請求すればよいのかが問題になります。この点民法の条文をみると、

第719条  数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。 (以下省略)

と、「各自」が「連帯して」損害を賠償する責任を負うこととされていて、被害者は、それぞれの加害者に対して受けた損害の全額を、同時にまたは順番に請求できることになります。(もちろん二重取りは許されませんので、受けた損害の総額が請求できる金額の限度です。)

つまりタクシーと第三者の車の双方に過失があるケースでは、その過失の割合に関わらず被害者であるタクシーの乗客は、タクシー会社および事故の相手方それぞれが加入する保険会社に対して、治療費をはじめとする損害額の全額について請求できるということになります。

なお、ここでいずれか一方の加害者が損害の全額を賠償した場合には、後に加害者同士でお互いの過失割合に応じた清算が行われることになります。


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