お互いに過失のある事故で、保険会社を通じて示談交渉を行っていると、車の修理代についての過失割合と、ケガの治療費等についての過失割合が食い違うことがありますが、これってなぜなのでしょうか?(前回の記事はコチラ

客観的な基準が存在します

相手のある事故で、どちらかが一方的に悪いケースというのはまれであり、お互いに何らかの落ち度(過失)があることが一般的です。そこで、事故の解決に向けて示談交渉をする当事者は、お互いの過失の大小をめぐって争うことになるのですが、ここでどちらにどれだけ過失があったのかについての割合のことを「過失割合」といいます。

この過失割合については、道路交通法に定められた優先関係や運転慣行などをもとに、裁判官や弁護士によって作成された基準が存在していて、典型的な事故の類型ごとに、たとえば「60:40」などと比率の形で整理されています。(興味がある人は、別冊判例タイムズ16号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂4版」という本をご覧ください。)

そして示談交渉にあたっては、この基準に則って、それぞれの事故に固有の事情を加味しつつ、過失割合が決定されることになるのですが、この過失割合、同一の事故であっても、「ヒト」に対する損害と「モノ」に対する損害で取り扱いが異なったりすることがままあります。これってなぜなのでしょうか?


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