中立的かつ公平な情報が魅力のモーニングスター
モーニングスター社は、日本において投資信託の格付け評価を中心として、アナリストらによる世界規模の金融・経済情報の提供を無料で行っています。特に「★」を使った「モーニングスターレイティング」は第三者による投信格付けとして、投資信託に関心のある人に重宝されています。星の数により端的にファンド評価を参考にするばかりでなく、ランキング情報、スタイルボックスなども、よく参照されています。実はこのビジネスモデルはアメリカ発です。米国モーニングスターは1万本以上のミューチャル・ファンドの評価格付けを行い、米国最大の投信評価機関として個人投資家の支持を得ています。このノウハウを1998年に持ち込んで孫正義さんの肝いりで設立されたのが日本のモーニングスター社です。現在の代表取締役は朝倉智也さん、CEOは北尾吉孝さんです。
設立後12年の間にWebを通してさまざまな情報提供を開放的に行うことで、日本の投資知識の啓もうに努めてきました。モーニングスター社の存在意義は、なんといっても中立的な第三者機関としての公平性です。そして、目指しているのは、日本での投資家主権の確立と、志の高いものです。難解なことを分かりやすく伝えおうとする姿勢は、多くのユーザーに評価されていますが、ビギナーが参考とするには少しハイレベルです。また、中立、公平とはいっても営利企業ですから、絶対的な善や真理であると入れ込むことは行き過ぎです。あくまでも参考程度にしてください。
一番のオススメは「資産運用の金融電卓」
成長し続けるモーニングスターのWebサービスですが、私がもっとも利用をおススメするのが、「資産運用の金融電卓」です。これは、投資に対する自分の潜在ニーズを顕在化させ、投資の目標設定を可能にします。成果として得られるのは「人生の必要収益率」です。
金融電卓への入り口がサイト上では目立たないのですが、トップページ右列のバナーをクリックして入ります。機能としては「運用・利回り」「取崩し・受取期間」「取崩し・受取金額」「取崩し・利回り」4つのタグが並んでいますが、一番左側の「運用・利回り」が「人生の必要収益率」をはじき出すツールです。
具体的な使い方ですが、資金には現在の手持ち資産額を入力します。そして、毎月の余剰金(老後の生活費のために積立られる月額)とリタイアするまでの年数を入力します。最後に老後の必要資金の総額を入力して、「計算する」をクリックすれば、人生が黒字化する必要収益率が年率で出てきます。一般的な事例としては、「資金300万円と毎月3万円を30年間運用して5,000万円とするには、年間約6.3%の利回りが必要です」と答えが表示されます。
金融電卓で必要収益率が計算されたあと、さらに、その右側には、右上の画像のようにその利回りを実現してくれそうな資産配分例が示されていることも親切です。その下の「元本割れするリスク」をクリックすると、過去のデータから推測される最大損失額がグラフと表で表示されます。投資開始から3年目、4年目が損失リスクが最大になる点は注意が必要だと分かります。具体的なリスクがどんなものなのか、こうして年数と金額で示されると納得できる人も多いはずです。利回りが大きいほどこのグラフのカーブは急勾配になりますし、利回りが小さければ平坦に近づきます。