資産運用/資産運用の注意点とリスク

今こそ意識したいインフレ・リスク(2ページ目)

アベノミクスにより、長かったデフレのトンネルから抜けでようとしている日本経済。次にくるのは、金利上昇か?インフレか?大きなターニングポイントに立ついま、あなたの生活を守るために考えなければいけない注意点は?

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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インフレを証明する統計は商品相場にあり!

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東京・丸の内の丸ビルの賃料はこの60年で4,000倍以上に上がっている。年率にして15%の上昇!長期間の物価上昇率を参考にして自分の期待収益率を調整してください。
そうはいっても、日本人に「インフレに打ち勝つ」というイメージが沸きにくいのは、この20年間にわたり安定した物価で生活してきたからです。インフレの脅威を実感するために、商品価格の長期変化をお示しします。

たとえば、原油価格は、この43年間で40倍近くに上がっています(1970年に2.5ドル/バーレルだったものが、2013年には97ドル)。これは、年率8%の値上がり。

あるいは、もっと身近な例としてはカレーライス。50年前には一人前50円でしたが、今はその12倍の600円。これは年率5%の値上がりでした。そして不動産は……東京丸の内の丸ビルの賃料は、1945年に坪当たり14円でしたが、現在の新・丸ビルの坪当たり賃料は6万円。実に60年間平均で年率15%の上昇でした。

地球の人口増は、エネルギーや食糧の不足を引き起こしており、供給が需要に追いつかなければ、当然に価格は上昇します。私たちの投資は、これらの物価上昇に追いついて当たり前(現状維持)、物価上昇を追い越した分だけが超過リターンとなり、生活をより豊かにしてくれます。

ですから、私たちは将来の購買力を増加させるための資産運用としては、それなりの目標を持たなければいけません。つまり、それは「人生の期待収益率 + 今後の物価上昇率」の実現です。

【関連記事】人生の期待収益率を知る

インフレに打ち勝つポートフォリオを!

物価上昇の現実を知って、私たち自身の実践的問題として対応したいのは、自己満足の収益率でなくて、インフレを上回る収益率を稼ぎ出す必要があるということです。違う言い方をすれば……

「インフレに打ち勝つポートフォリオを持ちたい!」

一般的に、インフレに強い資産としては、株式、不動産、商品があります。債券にこれらの資産を適切に配分することがポートフォリオ運用の妙です。もう一度繰り返します。資産運用の主役は株式と債券。インフレに打ち勝つことを強く意識した場合、そのふたつに不動産と商品を加えることが賢明です。
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